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水虫(白癬)

皆さん、こんにちは。院長の田中です。
通常でしたら3月はB型インフルエンザが流行するのですが今回はなく、花粉症の患者さんがとても多くなっております。
耳鼻科は大変混んでおり、内科で処方を希望される方が多いですね。

今回の特集は水虫を取り上げました。水虫は夏の病気と思われがちですが年中あります。
冬はブーツを履く女性の場合、蒸れやすくなるから白癬菌にとって好都合の環境となるわけです。
水虫は誰しもがかかる可能性がありますので記事を参考にしてください。


水虫とは?

水虫(白癬)

水虫とはカビの一種である白癬菌が皮膚の角質層に寄生して起こる病気です。
白癬菌は手や体にも感染しますが高温多湿を好み蒸れやすい靴の中は菌が住みやすい環境となる為9割近くは足にできます。
もともと水虫は中年男性に多いイメージがありますが、最近では男女差がほぼなくなり、また若い女性にも増えています。


水虫の種類と症状

足白癬

  • 指間型:もっとも多いタイプ。足指の間がむずがゆくなり、白くふやけて皮がむけます。赤くただれたりもします。
  • 小水疱型:梅雨の時期に発症しやすく、土踏まずや足のふちに小さい水疱ができ激しい痒みを伴います。日がたつと水疱が破れて乾燥し、ポロポロとむけてきます。
  • 角質増殖型:カサカサの水虫で、足の裏、特にかかとの皮膚が厚くなり、白く乾燥し、硬くひび割れをおこすと痛みを伴います。一年中みられ、痒みを伴わないことが多いので治療が遅れると少しずつ進行していきます。

爪白癬

足白癬が慢性になると爪にも繁殖して爪全体が白っぽくなり、厚くなったり変形したりします。
足の水虫治療をしてもなかなか治らないという場合は爪の水虫を疑ってみましょう。
足から爪へ、爪から足へと白癬菌が移るためせっかく足の水虫を治療しても爪に菌がいる限り再発を繰り返してしまいます。

手白癬

足の水虫と同症状で足に比べると発症の割合は一割程度。

体部白癬(ぜにたむし)

顔、首をはじめ体のいたるところに感染します。犬や猫などの動物からうつることがあります。

股部白癬(いんきんたむし)

10代後半~20代の男性に多く、太ももの内側にできます。痒みが強く下腹部、臀部へと広がることもあります。

頭部白癬(しらくも)

頭部に円形やだ円形の脱毛巣を作ります。子供に多くみられ、犬や猫などのペットからの感染が増えています。

なぜ水虫になるの?

水虫は水虫の人と接したからといって水虫になるわけではありません。
白癬菌を含む垢などがついたスリッパ、マット、床などを裸足で踏むと足に菌がくっつきます。
皮膚が乾燥していれば洗い流せば感染しませんが、菌が付着したまま高温多湿の環境下に24時間以上置かれると菌が増殖し始め症状がでてきます。


水虫になりやすい人は?

  • パンプスやブーツ、ぶ厚い靴下などを長時間履いている
  • 足の指の間隔が狭く、蒸れやすい、汗をかきやすい
  • 同居している人が水虫になっていたり、ジムやプールなど多くの人が裸足で歩く場所に行くことが多い
  • 体力が落ちていたり、抵抗力が弱っている、持病で免疫力が弱っている

水虫の診断

足がかゆいからといって、必ずしも水虫とは限りません。
水虫と紛らわしい他の皮膚病もあるので、皮膚科で診断してもらいましょう。
顕微鏡で皮膚を検査して白癬菌がいるかどうか調べます。菌がいればすぐに診断がつきます。


水虫の治療

白癬菌を殺す抗真菌薬には外用薬と内服薬があり、症状やタイプに合わせて処方します。
通常は外用薬が主流で、塗るタイプのものとスプレータイプのものがあり、患部の状態で使い分けます。
爪白癬は外用薬が浸透しにくいため基本的には内服薬が使われます。

  1. 毎日1錠ずつ半年ぐらい飲み続ける薬
  2. 1週間飲んで3週間休薬し、これを3回繰り返す薬(パルス療法といいます)

これらの薬は肝障害などの副作用があるため定期的に血液検査が必要です。また併用できない薬が複数あります。
現在、爪白癬に効果のある外用薬も発売されており、肝障害をもつ患者や併用薬の多い高齢者に対して選択されます。
内服薬、外用薬どちらの場合も爪が生え変わるまで1年程度かかるので長期間にわたる治療が必要です。
※かゆみなどの症状がなくなった後も、勝手に自己判断で中断せず、根気よく治療を続けましょう。


水虫の予防

  • 足をよく洗って清潔にすること、乾燥させること
  • 靴はできるだけ蒸れない素材とデザインのものを選び、同じ靴を毎日履かず、2~3足を交互に履く
  • 靴下は木綿などの通気性のよいものを選ぶ(5本指が分かれた靴下も効果的)
  • 家族に水虫の人がいるときは、タオルや足ふきマットなどの共用を避け、マットやスリッパをこまめに洗う(床や畳もできるだけこまめに掃除する)
  • ※白癬菌は足から落ちた垢に含まれるカビなので、成長を助ける多湿環境を足につくらず、エサとなる足の垢を減らし、深く根をはる前に取り去ることが大事です。

最後に…

当院では水虫の顕微鏡検査はできませんが、視診で疑われる症例には投薬治療はしております。
治療しても改善しない場合、視診だけでは判断できない場合は皮膚科へ紹介しております。
爪白癬の外用薬は菌を証明しないと処方が出来ないため皮膚科を受診してください。当院で相談には対応いたします。

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