ここでは当クリニックで行っている禁煙の保険診療について説明をします。
喫煙者の中には、たばこは健康には良くないとわかっていながら止めることができない、いわゆるニコチン依存症の方が多いのです。
タバコは嗜好や習慣ととらえるより、依存症という病気と考えていただきたいのです。
やめたいけれど自力ではやめれない、一度やめてみたけど再喫煙してしまったなど、止めたいという方は禁煙外来を受診してみませんか?
禁煙指導と薬物療法でやめることができるかもしれません。
当院ですべてのプログラムを受診された方は、最後の受診時点において禁煙率は100%です。
でも途中での脱落者も多く、残念ながら禁煙成功後に再喫煙される方もあります。
これからも成功率を高め、また維持できるように取り組むつもりでおりますのでよろしくお願いします。
禁煙外来
禁煙外来の保険診療対象者とは?
●[対象患者の4条件]以下のすべての要件を満たす者であること1.ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること(はいの回答が5点以上)
2.ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の者であること
3.直ちに禁煙することを希望している患者であること
4.「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意している者であること
ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)~5点以上が適応
設問内容 | はい 1点 | いいえ 0点 |
---|---|---|
1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありますか? | ||
2.禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがありますか? | ||
3.禁煙したり本数を減らそうとした時に、タバコが欲しくてたまらなくなりますか? | ||
4.禁煙したり本数を減らそうとした時に、次のどれかがありましたか? (イライラ、神経質、落ち着かなさ、集中困難、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手の震え、食欲または体重の増加) |
||
5.4の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありますか? | ||
6.重い病気にかかって、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありますか? | ||
7.タバコのために健康問題が起きているとわかっていても吸うことがありますか? | ||
8.タバコのために精神的問題が起きているとわかっていても吸うことがありますか? | ||
9.自分はタバコに依存していると感じることがありますか? | ||
10.タバコが吸えないような仕事や付き合いを避けることが何度かありましたか? | ||
合計 |
診察の手順
●喫煙状況に関する問診票
Q1.一日に吸うタバコの平均本数
Q2.朝目覚めてから1本目のタバコを吸うまでの時間
Q3.タバコをやめたことがあるか?あればその期間
Q4.習慣的に吸うようになった年齢
Q5.タバコをやめる自信は( )%
Q6.同居する家族の喫煙者の有無
Q7.現在気になる症状の有無
Q8.現在治療中の病気
Q9.ただちに禁煙する意思の有無
1.問診票事項の確認と、禁煙の動機についてまず問診します。
2.パソコン画面を見ながら解説をします。
a. タバコの健康被害について
b. 禁煙することのメリットについて
c. これまでの習慣(くせ)に対する対処法
d. 禁煙補助剤の選択について
e. 呼気一酸化炭素濃度測定
3.禁煙補助剤が決まれば、その服用方法と副作用の説明
●禁煙外来を受けるには
禁煙外来を受けるには予約が必要です。初診にかかる時間は約30分です。
月・火・水・金の午後15時から30分で予約を受け付けております。
その時間が難しい方は、こちらの都合に合わせていただきますが、月~土曜日8時半から30分も可能です。
希望に沿えない場合がありますが、ご理解をよろしくお願いします。
2回目からも予約をお願いしていますが、禁煙に成功している方の診察時間は一般診察と同じ程度です。
禁煙できなかった方には、喫煙した状況を問診し、今後の対処法についてアドバイスをしますので、時間がかかる場合があります。
●禁煙補助剤の選択方法について
チャンピックス | ニコチンパッチ | |
---|---|---|
特長 | 禁煙時の離脱症状抑制 喫煙時の満足感抑制 |
持続的喫煙要求に有効 ニコチン補充療法 |
薬剤・期間 禁煙開始 |
内服薬、12週間 2週目から |
貼付剤、8週間 開始日から |
副作用 対策 |
吐き気・頭痛・便秘 水分を多めに摂取 |
かゆみ・かぶれ→貼る所を変える 不眠・悪夢→夜間は貼らない |
受診 | 2週間毎 計7回 |
2週・4週・8週・12週で 計5回 |
金額 3割負担 |
初診+再診 3,024円 管理料 2,886円 薬剤費 11,298円 |
初診+再診 2,286円 管理料 2,886円 薬剤費 6,219円 |
成功率 | 3倍 | 2倍 |
禁煙補助剤にはチャンピックスという内服薬と、ニコチネルという貼り薬があります。
どちらを選択するかを上の比較表を解説しながら相談して決めております。
患者さんによって選択基準が異なるので、一概にどちらが良いとは言えませんが、5月から使えるようになったチャンピックスに成功率が高いので、最近ではこちらを希望する方が増えております。
ただし、2週間ごとに受診が必要であったり(発売後1年を経過する来年4月まで)、金額がニコチネルより高いこと、薬剤使用期間がニコチネルで短いことより、ニコチネルを選択される方もいます。
スライドによる禁煙指導
●パソコンでのファイルを用いた指導
現在のところチャンピックスの説明画面がまだ更新できていませんが(冊子を使ってます)参考資料を添付しますので、御参照ください。
男性用と女性用の違いは、女性用は美容面への健康被害について書いている分ボリュームが多くなっております。
※一部不快に感じる可能性がある画像が含まれている部分があります。
●クリニックでの禁煙治療成績(全例ニコチネル使用)
平成20年5月までに60名が禁煙外来を受診。
5回すべて受診された方は27名、終了時点では、全例が禁煙に成功。
中途で受診しなくなった症例の中には禁煙成功者もいますが、それを除外して総数で見た禁煙成功率は27/60で45%です。
6ヶ月後経過を観察した43例で、中途未受診者の追跡も実施し、禁煙成功率は22/43で51%でした。
禁煙中に煙草を吸いたくなったら
●禁煙中にタバコを吸いたくなったら・・・
代償行動をとってください。
喫煙要求が高まっても長くて5分がまんできれば、そのレベルは低くなり、吸いたくなくなっていくようです。
何度も喫煙要求が生じるかも知れませんが積み重ねが重要です。
てっとりばやい方法は、何か口に入れることです。
水分、ガム、キャンディーなどなど、でも一番のお勧めは酢昆布(おしゃぶり昆布)です。
口がさっぱりしてさわやかになり、口寂しさもまぎれますのでお試しください。
また体操をするなど、体を動かすことも効果があります。
ここでは禁煙診療内容について簡単に説明をしました。
ファイルも参考にしていただければ幸いです。
禁煙すればいいことが非常に多く喜ばれております。
ひとりで悩まずに禁煙外来を受診してください。
禁煙の保険診療を行っている医療機関は日本禁煙学会で紹介されています。
当クリニックでは一人でも多く禁煙できるように支援させていただいておりますので、禁煙希望者はご相談ください。