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睡眠時無呼吸症候群

こんにちは、院長です。
新型コロナ感染流行は下火になってきましたが、感染者数は下げ止まりでまだまだ油断はできない状況と思われます。
GW中はお出かけになる方も多いと思いますが、3密を避け感染予防対策に気を付けてください。
周りに感染者がいないと自分は大丈夫と気が緩みがちとなります。
ワクチン接種率が低迷しております。3回目がまだの方は接種を済ませましょう。
3回目は副反応が強く出る方もいますが、感染者となってしまった時の社会生活を考えてください。当院では通院していなくても受診歴のある方は受付をしております。

今回は特集に睡眠時無呼吸症候群を取り上げました。
男性の方に多いのですが女性の方にもいますので、気になる方は記事を参考にしていただければ幸いです。当院での検査、治療は可能です。


睡眠時無呼吸症候群とは

眠っているときに呼吸が一時的に止まることによって本人が気づかない程度に覚醒するため、睡眠が分断されたり浅くなり、日中に過度の眠気を伴う病気で、SASサスともよびます。(Sleep Apnea Syndromeの略)
無呼吸とは、10秒以上の呼吸停止と定義されており、無呼吸と弱い呼吸と合わせて1時間あたりの回数を無呼吸低呼吸指数(AHI)とし5回以上あるいは7時間の睡眠中で30回以上あると睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断します。

  1. 自覚症状
    習慣性の強いいびき・日中の強い眠気・起床時の頭痛・夜間の頻尿・熟睡感がない
  2. 合併症
    高血圧・狭心症・心筋梗塞・心不全・不整脈・脳血管障害(脳卒中)・インポテンツ
  3. 社会的影響(日中の眠気から誘発される)
    交通事故(無呼吸のない人の7倍事故が起こると言われています。)・仕事上のミス(労働災害につながると言われています。)・学業不振など

病型分類

睡眠時無呼吸症候群

閉塞型―胸部や腹部の呼吸運動は行われているのに、上気道のどこかの閉塞によって鼻や口での呼吸が停止するもの。ほとんどがこのタイプです。

中枢型―脳血管障害や重症心不全がある場合にみられ、呼吸中枢の異常や呼吸応答が障害され、呼吸筋への刺激が消失して無呼吸となるタイプです。


原因(閉塞型の場合)

首まわりの脂肪の沈着・扁桃肥大・アデノイド・舌根沈下・舌が大きい・鼻中弯曲や顎が小さい・もともと気道が狭い、ことなどがSASの原因となっています。


検査・診断・治療について

  1. 問診・内科一般診察
    昼間の眠気の自覚のほか、既往歴(糖尿病・高血圧・高脂血症など)や体調の変化、SASに特徴的ないびきの有無などを確認します。無呼吸の有無は自分では分かりませんので、家族からの情報も診断に重要です。
  2. 簡易検査(自宅での検査)
    自宅でも取り扱い可能な検査機器を使って、普段と同じように寝ている間に出来る検査です。手の指や鼻の下にセンサーやチューブを装着し呼吸状態と睡眠中の酸素不足の程度を調べます。
    当院では2晩続けて検査をします。
    この結果、AHI(無呼吸低呼吸指数)が40以上あり、かつ日中の傾眠などの自覚症状が強く日常生活に支障を来している場合、当院にてCPAP療法(後述)を開始します。AHIが20以上40未満の場合、次の精密検査にうつります。
  3. 精密検査(1~2泊入院が必要)
    呼吸状態や酸素不足の程度に加えて、睡眠中の脳波や睡眠の質などの詳細なデータを得られることが出来ます。
    当院では連携病院に紹介しております。
    精密検査の結果、AHIが20以上であり、かつ脳波上睡眠異常があればCPAP療法が保険適応となります。AHIが20未満の場合は、症状や状況に応じた治療方法(マウスピースなどによる治療や生活習慣の改善など)を医師と一緒に検討していきます。
    治療開始後は定期的(基本的には月に1回)に受診し、治療効果や体調変化を確認します。
  4. 治療
    【1】手術
    耳鼻科診察の結果、扁桃肥大など明らかに気道を閉塞させる病変があり手術で改善が期待できる場合は手術を検討します。
    【2】持続陽圧呼吸療法(CPAPシーパップ)
    CPAP療法はCPAP装置からホースを通して鼻に装着したマスクより 気道へ空気を送り込み圧力をかけることで空気の通り道が塞がれないようにする治療法です。
    当院では治療開始後、定期的(基本的に月に一回)に受診して頂き、CPAP装着状況のデータと治療効果や体調を確認します。又年1回CPAPを装着せずに自宅での無呼吸の簡易検査を行い治療効果を判定します。
    【3】口腔内装具(マウスピース)による治療法
    下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで上気道を広く保ち、いびきや無呼吸を防ぐことが出来る治療法です。当院では歯科に紹介しております。

検査と治療に関わる費用

健康保険が適用されます。3割負担の方の場合、簡易検査約2160円です。これに初診料などが加算されます。
治療については、最も普及している「CPAP治療」で月額約4500円です。


生活習慣の改善

睡眠時の体位
仰臥位(仰向け)で寝ると舌の付け根が落ちこみ気道を塞ぎやすいため、側臥位(横向き)になって寝る工夫が必要です。
自分に合った寝具や枕を使いましょう。無呼吸防止枕、抱き枕などを試すのも良いでしょう。
減量
喉や首回りの脂肪が気道を狭くしている可能性があるので、減量も治療の一環になります。
飲酒制限
いつもはいびきをかいていないのに、お酒を飲んだ日にはいびきをかいてしまう、それはアルコールによって気道の筋肉が緩み上気道が狭くなるためです。定常的な寝酒はやめましょう。
禁煙
喫煙は血中の酸素を低下させ、咽喉頭部の炎症を引き起こし、睡眠中の無呼吸に悪影響を及ぼしますので控えてください。
精神安定剤(睡眠剤服用時の注意)
薬の作用で気道の筋肉がゆるみ、無呼吸を悪化、あるいは助長させます。自己判断での服用は避け主治医と相談してください。 就寝前に飲酒やカフェインの摂取やスマホやパソコンの使用を控えたり、軽いストレッチをすることも良い睡眠を促します。

CPAP治療効果

  • 数日で無呼吸・低呼吸・いびきの消失、睡眠の質の改善、日中の眠気消失等が期待できます。
  • 数週間で夜間の尿の減少、日中の活動性の増加による体重減少等が期待できます。
  • 数カ月で高血圧の改善、合併症の予防等が期待できます。

CPAPはあくまでも対症療法でありSASの根治療法ではありません。
CPAPの使用をやめると、元のSASの状態に戻ります。
継続して使用することでSASの状態が改善されます。さらに高血圧・動脈硬化・脳や心臓の血管障害などの合併症の予防にもつながると言われています。


最後に…

この病気が原因で事故やトラブルの報道に触れたことがある方も多いのではないかと思われます。
ベッドパートナーがいない方は無呼吸に気づかない為、日中の眠気だけでは疑われないと思われます。
いびきをかく方は自分のいびきをアプリで自己チェックできるアプリがあります。いびきラボというアプリです。これでは無呼吸は診断できませんがいびきの程度により疑うきっかけになると思います。
CPAP治療をやめることができるのかと質問されることがありますが、過去にはダイエットに成功して治療をやめた方もいますのでダイエットはメタボを改善させるためにも重要です。ほとんどの方が治療を続けているのが現状です。
当院では簡易検査、治療を行っておりますのでご相談ください。

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