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アトピー性皮膚炎

みなさん、こんにちは。今年は残暑が厳しいと聞いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
汗をよくかく季節になってきました。
今回はアトピー性皮膚炎について取り上げてみました。
夏は、ダニや汗などによりアトピー性皮膚炎を悪化させることも多い季節です。
楽しく夏を乗り切れるためにも参考にして頂ければと思います。


アトピーとは?

アトピー性皮膚炎と通常の皮膚炎がどのように違うかというとアトピー性皮膚炎がアレルギー反応により起こる皮膚炎だということです。
しかし、そう単純にアレルギーだけが原因だとはいいきれないことも事実なのです。
つまり、ただのアレルギー反応ではなく遺伝的要因や環境的要因などが複雑にからみあってアトピーは発症するのです。
アトピー性皮膚炎は、幼児期に症状を現すことが多く、季節の節目などで良くなったり悪くなったりを繰り返し、長期間続く皮膚炎であるのが事実です。
大人になってから症状が現れる例も増加の一途をたどっています。


アトピーの原因

アトピーの原因は明確ではありません。
アトピーを発症する人の多くにあてはまるのですが、実はもともとアレルギー疾患(アレルギー性鼻炎など)を持っている場合や自分の家族の中で自分以外にアトピーを発症している場合が多いことから、遺伝的な要因が関係していると考えられています。

  • 遺伝病のように特定の遺伝子が発症を決定的にしているものでもないこと。
  • 発展途上国において近代化に伴い急激にアトピー患者が増えていること。
  • 生活環境の変化によって症状が悪化したりすること。
などから遺伝子的な要因だけでなく環境的要因も大きく関与していると考えられています。

●遺伝的要因

アトピーが遺伝的な要素を含むことは分かっているのですが、両親や祖父母にアトピー性皮膚炎になった人がいないのに、子供にだけ症状があらわれるといったケースがあるので、これだけではアトピーは説明できないのです。
また、アトピー体質だからといっても必ずしも発症するとは限りません。
体質と発症は違います。

●環境的要因

具体的にどのような環境的要素がアトピー発症・悪化の原因となっているのでしょうか。
まず、毎日食べるご飯がアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となるもの)となっている場合が考えられます。
あまり知られていませんがマーガリン・チョコレート・ココア・コーヒー等も注意が必要です。
このことから、どの食べ物に対して体が拒否反応をしめしているのかを把握することが大切です。
また、ダニ・ハウスダストなどのアレルゲンが症状の悪化を招いています。
そして、ただでさえ痒いなどの症状が出ている部位に細菌などが入り込むと更に症状が悪化したりします。

かゆい!!かゆみの悪循環
かゆみの悪循環

かゆみの悪循環

入浴時の石鹸が皮膚に強すぎたり、ストレスや治療薬であるステロイド剤の使用が逆効果になり症状を悪化させる場合も考えられます。
このようにアトピー性皮膚炎を発症、ないしは悪化させる環境的な要因は多岐にわたります。


アトピーの治療法

アトピー性皮膚炎の治療にステロイドが使用される理由は、強力に炎症を抑える作用のためです。
ステロイド軟膏の効果はありますが、気になるのは副作用だと思います。
確かに数カ月から数年に渡りずっとステロイド軟膏を塗り続けていれば副作用の可能性は出てきます。
しかし、短期間であればほとんど問題はないといっていいでしょう。
つまり、短期間の治療でステロイド軟膏を使用することは非常に効果的で有意義だということです。
一番大切なことはステロイド外用薬を利用する上で処方した医者にしっかりとステロイドの使用法と副作用についての説明を受けることです!!
・適切な期間に適切な量を使用する。
・再発予防のためには、ステロイドの入っていないものを使用する。
すでに何年もステロイド軟膏を使い続け、皮膚の委縮や炎症を起こしている人がいるのも事実です。
そのような人たちは何度もステロイドを止めようと思うが結局リバウンドに苦しめられて、ステロイド軟膏に頼ってしまうという悪循環をしているのです。
ただその場合にも食事療法、ちょっとした生活習慣の改善で、脱ステロイドは可能なので諦めないようにしましょう。

    ●軟膏をまじめに塗る!!
  • 指示された軟膏を
  • 指示された部位に
  • 指示された回数だけ
  • 毎日欠かさずに

    ●これではなかなか治りません…
  • 気まぐれに塗る
  • 塗らない
  • 勝手にやめる
  • 市販の薬を塗る

ステロイド外用薬には様々な種類があり効果の強さには違いがあります。
ランクは五段階に分かれます。

●ステロイド軟膏を徐々にやめる方法

主治医に相談し、ステロイドの入っていない白色ワセリンを処方してもらうか購入しましょう。
それを現在使っているステロイド軟膏にまぜて、徐々にステロイド軟膏の濃度を落としていき、最終的には白色ワセリンだけにしていくのです。
医師の指示のもと最初は、10:0=ステロイド軟膏:白色ワセリンから初めて、徐々に7:3、5:5、と白色ワセリンの割合を徐々に増やし、最後は白色ワセリンだけにするという方法です。

●漢方薬による治療法

漢方薬とは医者が漢方的な診察から体力の強弱や体質などを判断して植物(草根木皮)や動物、鉱物などの生薬を数種類組み合わせて処方する薬のことをいいます。
そして漢方薬についてですが、小さく刻んだ生薬を煎じて飲む、伝統的な方法もありますが、今広く使われているのは、煎じ薬を乾燥させてアルミパックに入れ、持ちやすく、また、飲みやすくしたエキス剤(医療用漢方剤)になっています。
また、漢方薬は西洋薬のように薬害としてあらわれる副作用は厳密にはありませんが、からだや体質にあわないことによる副作用はありますので安易に漢方薬だから大丈夫だという発想はやめておきましょう。

●治療にはスキンケア

アトピー性皮膚炎の治療で一番大切なのは毎日のスキンケア(お肌の手入れ)です。
汗をかいたら、シャワーなどですぐに汗を流し、皮膚を清潔に保ちましょう。

●日常生活で心がけること

    皮膚の保護
  • 爪は短く切りましょう。
  • 温度差の激しい変化や、直射日光は避けましょう。
    衣類・下着類
  • 直接、肌につける下着や衣類は木綿100%を選びましょう。
  • 普段の洗濯は洗剤が残らないようにすすぎを十分にしましょう。
    入浴時の注意
  • 泡をよく洗い流すこと。シャンプーや石鹸は肌にあった刺激の少ないものを使用しましょう。
  • ぬるめのお湯で短時間の入浴を心がけましょう。柔らかいタオルなどを使い、洗いすぎないように。
  • 入浴後は保湿剤などを塗り、皮膚の乾燥を防ぎましょう。


治療の心構え

●忍耐強く

アトピー性皮膚炎をあっという間に治すことはできません。何年も忍耐強く頑張りましょう。
良くなっても手をぬかず、一時的に悪くなってもがっかりしないで、長期戦になる、と覚悟をきめましょう。

●定期的に受診

症状が変われば治療も変わります。必ず定期的に受診してください。
薬だけください、という姿勢では治りません。

●自己流は失敗のもと

良くなったので塗るのをやめた。
悪くなったので市販の薬を使った。
毎日薬を使うのはよくないと思ったので減らした。
など自分の判断で治療を変えるのは失敗のもとです。
わからないことは、必ず先生に相談してください。

●余計なお世話

親切な人が、あれがいい、これがいいと教えてくれることがあります。
ついフラフラっとなりがちですが浮気は禁物。
先生に相談してみましょう。

コメント(2)


2021年9月23日

アトピー酷すぎて鬱になりそう

もう嫌だ

投稿時刻 01:06 | 匿名

2021年9月24日

皮膚科で診てもらっているともいますが、よくならない場合は漢方を扱っている先生にかかってみるのもよいかもしれません。

投稿時刻 06:47 | 院長 田中

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