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高血圧の食事療法

みなさん、新年明けましておめでとうございます。
昨年は大震災があり激動の一年でした。薬の生産が追いつかない事態が生じて処方制限や他の薬に変更する状況もありました。我々の生活は医療も含めて東北の人々、全国の方々に支えられていると感謝したいと思いますとともに、一刻も早い復興を願います。
姫路市ではまだインフルエンザは流行しておりませんが、全国的には流行期となっておりますので、年明けから流行するのではないかと想定されます。
風邪と胃腸炎は12月から増加しておりますので、引き続き予防対策として、手洗い、うがいをしっかり行って下さい。風邪とインフルエンザの区別は難しいので、軽く考えずに早めに医療機関を受診しましょう。

今月の特集は高血圧の食事療法を取り上げます。
この時期は気温が下がって血圧がいつもより上昇しやすくなっております。降圧剤内服でコントロールすればよいのですが、生活習慣改善を食事、運動の面からもアプローチが必要です。そこで、食事に関して気を付けるポイントなどを紹介しますので参考にしてください。


血圧とは?

血液が血管内を流れるとき、血管の壁にあたる圧力のことを言います。

  • 最大血圧:心臓が収縮して全身に血液を送り出すときの血管に加わる圧力
  • 最小血圧:心臓が拡張して全身に送り出した血液が心臓に戻るときの血管に加わる圧力


血圧の分類

  • 正常:130未満かつ85未満
  • 高血圧:140以上または90以上

高血圧が引き起こす合併症

  • 脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)
  • 虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
  • 腎不全 など

あなたの1日の塩分摂取量はどのくらい?

コンビニで買った弁当を食べて塩辛いと感じる人は1日の食塩摂取量が13g以下であり、ちょうど良いと感じる人は15g前後、やや塩辛さが物足りないと感じる場合には15g以上摂っていると考えてください。
日本人の平均塩分摂取量は1日11gと言われています。高血圧の人の塩分目標は1日6g未満です。
まず塩分を摂りすぎていないか次の方法で確かめましょう。

●水110mlにしょうゆ小さじ1を混ぜ合わせてください。それを飲んでみて『薄い』と感じる人は日頃から濃い味に慣れている傾向があります。


目標血圧

若年者・中年者 130/85mmHg未満
高齢者 140/90mmHg未満
糖尿病患者 130/80mmHg未満
慢性腎臓病患者
心筋梗塞後患者
脳血管障害患者 140/90mmHg未満

減塩のポイント

    利用したい食品類
  • 香味野菜や香草、香辛料を使いましょう。(ピーマン・玉ねぎ・三つ葉・パセリ・バジル・こしょう・一味唐辛子・カレー粉など)
  • 酢や柑橘類の酸味で薄味をカバーしましょう。(バルサミコ酢・ワインビネガー・レモン・柚子など)
  • カリウムには塩を排出する作用があります。カリウムを多く含む野菜や海藻類、果物を積極的に摂りましょう。
  • 減塩しょうゆ・減塩みそ・減塩バターなどを使うのもよいでしょう。これにより1日約3g前後は食塩摂取を減らすことができると言われています。
  • 鮮度の良い食品や旬のものを用いて食品そのものの味を楽しむ工夫をしましょう。
    避けたい食品類
  • 梅干し・漬物・佃煮・塩辛のような塩分の多い食品はなるべく食べないようにしましょう。
  • 加工食品はできるだけ避けましょう。インスタント食品、干物類、さつま揚げ、ちくわなどの練り製品には塩分が多く含まれています。
    調理の工夫
  • 焼いたり、揚げたりした香ばしさも味覚にプラスの作用をします。和え物などに1~2滴の油の香りをプラスするのも効果的です。
  • 汁物では具を多くし、お汁の量を控えめにすることがおすすめです。
  • 市販のだしの素には塩分が含まれています。自分でだしをとり、風味を活かしましょう。また煮汁にとろみをつけると味が舌に残りやすくなりおいしさアップにつながります。
    食べ方の工夫
  • しょうゆやソースなどは直接かけるより、小皿にとり料理の端につけて食べる方が少しの量ですみます。だし割じょうゆなどはまろやかで美味しく食べられます。
  • 外食はできるだけ避けましょう。ラーメンは塩分が多いため、汁はなるべく残すようにしましょう。丼ものの付け合わせの漬物、汁物などは塩分とり過ぎの要因になりますので残すようにしましょう。肉類より魚介類や野菜中心のメニューを選びましょう。できあいのお惣菜も控えめに。味付けが濃く塩分量も多くなります。
  • 食べる量が多ければ塩分量も増えます。  食べ過ぎないことも減塩のポイントです。
食べ方の工夫

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