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便秘

みなさん、こんにちは。院長の田中です。
一気に秋本番の気候になりましたが、体調管理には十分お気をつけください。
今回の特集は便秘にしました。
薬はあくまで対症療法、食事と生活習慣の改善で便秘を解消するのが便秘治療の基本です。


便秘とは?

排便習慣には個人差が大きいため、実際の診療では排便回数や量の減少(3~4日以上排便がないなど)を『便秘』としていますが、はっきりとした定義はありません。


便秘のタイプ

便秘といってもタイプはいろいろ。一般的にその原因から2つに分けられます。

●器質性便秘

注意が必要なのは大腸がんやポリープなどにより、便の通りが悪くなる場合です。
便に血や粘液が混じっていたり、便が極端に細かったり、激しい腹痛がある場合は早めに受診しましょう。

●機能性便秘

  1. 一過性便秘:生活環境の変化などが原因で起きる一時的なもの
  2. 常習性便秘:便秘の中で最も多くみられる慢性便秘


常習性便秘について

今回はこの常習性便秘について、まずは自分の便秘のタイプを知り、それに応じた対策方法を考えてみましょう。
次の3つのタイプに分けられます。

1.弛緩性便秘

高齢者や女性に多く、ホルモンバランスによるもの、ダイエットによる食事量の不足や運動不足、腹筋力の低下などにより、腸の運動が弱くなって便がスムーズに送り出せず、少量の硬い便になります。
このタイプの便秘は、お腹が張っている、便が出切らない残便感、食欲の低下、肩こり、冷え倦怠感などの様々な症状を引き起こす場合があります。
解決のポイント腸をしっかりと動かして便を出すようにする。
  1. 食物繊維をたっぷりとりましょう。
  2. 冷たい水や牛乳、香辛料を程よくとる。ビールに適量なら腸を刺激してくれるので効率的です。
  3. お腹や腰のマッサージをしたり、腹筋をきたえるのも良いでしょう。

2.直腸性便秘

トイレに行くのを我慢することが習慣になると、直腸内に便がたまっても、便意を感じにくくなります。長い間、腸にたまった便は、どんどん水分が吸収され、硬くカチカチの便になります。
そんな便秘にたまりかねて刺激性の便秘薬や浣腸を長期連用していると、ますます直腸が鈍感になるという悪循環を招きます。
このタイプの便秘は、お腹が張っている、便が出切らない残便感、食欲の低下、肩こり、冷え倦怠感などの様々な症状を引き起こす場合があります。
解決のポイント腸からの「便を出したい」という指示を脳にちゃんと伝えるようにする。
  1. 便の量を増やすために食物繊維を、柔らかくするために、水分をたっぷりとりましょう。
  2. 胃腸は食事による反射で動き始めるので、必ず朝食をとって、その後はトイレに行くように習慣づけて排便リズムを身につけましょう。
  3. トイレに座ったらリラックスしてお腹をマッサージするといいでしょう。

3.けいれん性便秘(過敏性腸症候群)

ストレスが原因で自律神経が乱れ、腸が異常に動き、便秘と下痢を繰り返します。腸の一部がけいれんを起こし便が通りにくくなり、出る量は少なく、ウサギのフンのようなコロコロした便しかでず、残便感があります。
解決のポイント腸への負担を少なくしてスムーズに便を出すこと。
  1. 冷たい水や香辛料などの刺激物を避け、腸けいれんを抑えましょう。
  2. 暴飲暴食、アルコールの多量摂取を避け、毎日3回の規則正しい食生活をするようにしましょう。
  3. ストレスの要因(睡眠不足、過労や人間関係、生活習慣の変化など)を解消するよう心がけましょう。リラックスすることも大切です。


便秘の予防

●食物繊維と水分を十分に!!

食物繊維は水分を吸収して便を軟らかくし、便の量を増やしてくれます。
水分を十分取ることも快便につながります。十分な量の水、野菜や果物のジュース・スープなどを取りましょう。
食物繊維の取り方のコツ
  • 主食は必ずとり、白米より繊維の多い雑穀を
    ★玄米、七分づき米、全粒粉のパン、そば
  • 副菜は必ず野菜や海藻類
    ★切干大根、かぼちゃ、ほうれん草、モロヘイヤ、ごぼう、昆布、わかめ(野菜は生より、火を通したほうがかさが減りたくさん食べられます。)
  • ごまやのりなどをまめにふりかける
    ★いりごま、焼のり、青のりなどおかずやご飯に加えましょう。
  • 豆類やイモ類も忘れずに
    ★さつまいも・サトイモ・あずき・納豆・こんにゃく・きな粉など。
  • 汁物は具だくさんにしよう
    ★野菜たっぷりのシチューやスープ。
  • 果物も食物繊維が豊富
    ★アボガド・バナナ・キウイフルーツ・りんごなど。

●脂肪の摂取

脂肪は腸管を滑らかにする働きがあるので、便を出しやすくしてくれます。脂も効果的です。※ただし摂り過ぎに注意!!

●十分な運動

毎日20~30分の歩行や軽い腹筋、ストレッチも効果あり。


お腹・腰のマッサージ

すごく簡単なのですが意外と効果的なのがマッサージです。
ツボ刺激で便秘解消という方法も。
毎朝寝床で寝ながら、もしくはトイレに座ってする習慣をつけましょう。

お腹のマッサージ・腰のマッサージ

●お腹のマッサージ

まずは「の」の字にマッサージ。大腸の走行に沿って「の」の字を描くように、マッサージをする。
次にS状結腸を押す。左の腰骨の出っ張りからやや内側下にあるS状結腸を、手のひらか親指の根元でゆっくり押します。

●腰のマッサージ

両側の大腸兪(だいちょうゆ)を左右のゲンコツでグリグリと押しながらマッサージをします。排便前に行うと効果的です。
※大腸兪:腰骨の高さで背骨から指幅2本分外側で、左右どちらにもあります。


最後に…

便秘の治療薬
下剤や浣腸は便秘の症状を一時的に解消するのには有効ですが、常用すべきではありません。もし使う場合はタイプによって正しく使い分けたほうが良いので、医師に相談しましょう。
薬はあくまで対症療法、食事と生活習慣の改善で便秘を解消するのが基本です。

コメント(3)


2018年6月12日

ウォシュレットがないと便がでません。どうしたら普通に便を出せるように習慣づけれるでしょうか

投稿時刻 14:33 | 森本勇人

2018年7月8日

森本さんへ 気が付かず遅くなってしまいお詫びいたします。

記事に書いてあることを参考にしてください。
ウオシュレットがあれば便が出るのであれば、それでよいという考えもありかなと思います。

直腸まで便が降りていないと排便はできません。
ぎりぎりまで我慢できればスムーズに出るかもしれませんがいつもそういう訳にはいきませんね。

排便時に下腹部をマッサージしたり腹圧をかけて出せるように工夫してください。

投稿時刻 21:11 | 院長 田中

2018年7月20日

残便感がありお腹が張ります。
便秘に良いと言われることはある程度試しましたが、なかなか効きません。
病院に行くのには少し抵抗があって悩んでます。

投稿時刻 00:03 | あ。

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