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骨粗鬆症

みなさん、こんにちは、院長です。
いよいよ師走、12月となりました。先月は嘔吐下痢症が多く、外来も忙しくしておりましたが、今月からインフルエンザの流行が心配です。ワクチンは予防になりますので、中旬までには接種を受けるようにしましょう。忘年会もあることでしょうが、体調を崩されないよう日々健康には気をつけてください。
今回の医療特集は骨粗鬆症をとりあげます。
高齢女性の方は骨密度が低下していて、ちょっとしりもちをついただけで、背骨が骨折するということはめずらしくないのです。健康診断の中にも骨密度の項目が含まれるようになってきました。
閉経後の女性は特に要注意です。わかりやすく解説しておりますので、参考にしてください。


破骨細胞のしくみと骨粗鬆症

骨は絶えず古い骨が壊され、新しい骨が作られて生まれ変わっています。このような破壊と再生を骨代謝といいます。
骨代謝の中心的な役割を担っているのが「跛骨細胞」と「骨芽細胞」です。
古くなった骨を跛骨細胞が壊し、骨芽細胞が新しい骨に再生するのです。
骨の破壊と再生のバランスがくずれて骨量が減ると骨粗鬆症が起こります。


骨密度と骨粗鬆症の関係

骨はカルシウムやリンのようなミネラルを含んでいて、それが骨を硬く密にさせています。
骨密度を維持するためには、体はカルシウムやほかのミネラルの十分な供給を求め、成長ホルモンや性ホルモンが産生されます。
また食べ物からカルシウムを吸収して骨に取り入れるために、ビタミンDの供給が必要です。骨は30歳代で最大骨密度になり、その後はゆっくり低下していきます。
もし体が骨のミネラル含有量を調節出来なくなり、骨密度がいっそう低下して骨がもろくなれば骨粗鬆症となります。


骨粗鬆症の分類

閉経後骨粗鬆症

女性ホルモンのエストロゲンは、骨の中へのカルシウムの取り込み調節を行っています。閉経後はこの女性ホルモンの欠乏により、骨密度の低下が引き起こされるのです。

老年性骨粗鬆症

加齢とともにカルシウム欠乏、そして骨破壊と新しい骨形成の速度の不均衡の結果として生じるものをいう。通常は70歳以上の老年者に発症するが、女性では男性の2倍も多いのです。これは閉経後骨粗鬆症が同時に起こりやすいためです。

二次性骨粗鬆症

骨粗鬆症患者の5%以下の割合で、別の病態や薬剤の影響などで二次性に発症することがあります。慢性腎不全、ホルモン異常(甲状腺、副甲状腺、副腎の病気)、またはステロイドや抗けいれん剤などの薬物による副作用として発症します。


骨粗鬆症の症状

骨密度はゆっくり低下し、老年期骨粗鬆症の初期では無症状の人がいます。骨密度がかなり低下して、骨がつぶれたり、折れると痛みが生じます。もろくなった骨は自然にあるいはわずかな外傷(軽い圧力や転倒など)のあとにつぶれることがあります。背骨では立ち上がったり歩くときに悪化します。
通常痛みは数週間から数ヶ月で次第に消えていきます。


骨粗鬆症の診断

診断には症状、診察所見、骨のX線写真の組み合わせにより可能ですが、無症状の段階から診断するためには、骨密度を測定することが必要です。
最も正確な検査は、二重エネルギーX線吸収測定法という通常のX線より少ない線量の放射線を使う方法です。最近では尿検査で骨マーカーを測定し、骨密度を間接的に測ることも行われています。


骨粗鬆症を予防するための三大ポイント

  1. カルシウムの十分な摂取
  2. 日光浴
  3. 運動療法

1.カルシウムはどれくらい摂取すればよい?

日本人のカルシウム摂取量は一日500mgで、厚生労働省による成人所要量の620mgに達していません。従って今の食生活にもう一品乳製品を加えることが望ましいとされます。コップ一杯の牛乳には約200mgのカルシウムが含まれているので簡単に摂取できます。

2.日光浴

予防に欠かせないのがビタミンD。日光を浴びると皮下脂肪でビタミンDが作られます。ビタミンDは体内に取り入れられたカルシウムの吸収を促進し、骨まで運ぶ働きがあります。だからいくらカルシウムをたくさん摂取しても、ビタミンDが不足しているとカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなることにつながります。1時間ほど戸外で日光を浴びれば十分です。

3.運動療法

運動不足は骨粗鬆症を増悪させる原因となります。寝たきりの人に言えることなのですが、骨に負担がかからない状態が続くと、骨からカルシウムが溶けだしてしまうのです。骨に力が加わると骨芽細胞の働きが活発となり、カルシウムの沈着が進みます。運動量としては毎日30~60分の散歩で効果があります。


骨粗鬆症の治療薬について

  1. カルシウム製剤:
    骨の主成分であるカルシウムは、食事からだけでは不十分なため、カルシウム製剤で補います。単独では効果が弱いため、ほかの薬剤と併用します。
  2. 活性型ビタミンD3製剤: ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあり、骨の再生を促進します。ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化されないと、骨に作用することができないので、活性化したビタミンDを体外から補給しようというのがこの薬なのです。
  3. 破骨細胞の働きを抑えて、骨の破壊を抑制する注射薬です。鎮痛作用があり、骨粗鬆症で腰や背中が痛む人に向く薬です。週に1回筋肉注射をします。
  4. ビスフォスフォネート製剤: この薬は破骨細胞の働きを強力に抑えます。現在のところ、骨量を増やす効果が最も確実な薬で、薬物療法の中心的な薬といえます。よく用いられるのが一日一回朝食前に多めの水で服用する薬です。空腹時に服用するため、消化管の粘膜を刺激しやすく、胸やけなどの胃の症状が現れることがあります。
  5. ビタミンK2製剤: ビタミンKには骨にカルシウムが沈着するのを助ける作用があります。
  6. エストロゲン製剤: 女性ホルモンのエストロゲンは、骨代謝のコントロールに重要で、閉経後はその作用が低下するために骨破壊が進みやすくなります。閉経後の女性に薬で女性ホルモンを補充するホルモン補充療法により、骨量の増加を図ります。
  7. ラロキシフェン: 選択的エストロゲン受容体調整薬で、骨にある受容体に結合して骨の破壊を抑えます。エストロゲン製剤に代わる薬剤となりつつあります。


骨によい栄養素を含む食品

  • ビタミンK~大根、かぶ、モロヘイヤ、ほうれん草、納豆、ヒジキ
  • マグネシウム~玄米、豆腐、ピーナッツ、アーモンド、貝類
  • ビタミンD~イワシ、サンマ、サケ、シラス干し、干ししいたけ、キクラゲ
  • イソフラボン~豆腐、豆乳、厚揚げ、がんもどき、納豆、大豆、きな粉


最後に…

骨粗鬆症という病気は加齢と共に誰もがかかりうる病気です。
健康診断で骨密度が低いと指摘されたら、症状がなくても受診しましょう。内科または整形外科で診療をしてくれます。
日常生活の中で食事や運動にも気をつけて、骨を丈夫にしておきましょう。

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