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アナフィラキシー

こんにちは、院長の田中です。非常事態宣言が解除されて一時新型コロナウイルス感染の新規発症が姫路ではゼロの日もあったのですが、最近10人を超えるようになり、大阪では特に多くなっており第4波が懸念されています。
院長は医療従事者として皆さんより先行して一回目のワクチン接種を受けたのですが、皆さんにはまず高齢者から接種が始まります。

そこで一番心配なのは副作用、特にアナフィラキシーです。
よく報道で耳にされていると思いますが、今回の特集で取り上げてみましたので、接種をする前に気を付けていただきたく読んでいただければ幸いです。


アナフィラキシーとは?

アナフィラキシーの症状アレルギーの原因物質(アレルゲン)が体内に入ることにより短時間(通常数分以内)に複数の臓器に全身性に現れる重いアレルギー症状です。
またアナフィラキシーにより意識障害や血圧低下をきたし生命を脅かす状態をアナフィラキシーショックといいます。
アナフィラキシーでよく見られる症状として、以下があります。

  • 皮膚や粘膜の症状➡全身に広がるじんましんや皮膚の発赤、皮膚のかゆみ、まぶたや口唇・舌・口蓋垂が腫れる、目の充血とかゆみ
  • 呼吸器の症状➡乾いた咳が止まらない、のどの詰まった感じ、胸のあたりががゼーゼーいう、呼吸が速くなる、息をするのが苦しい
  • 消化器の症状➡腹痛、気持ち悪くなったり、吐いたり、下痢になる
  • 循環器の症状➡意識障害、脱力感、血圧低下

アナフィラキシーとの鑑別

アナフィラキシーによく似た症状をきたす主な状態として以下が挙げられます。
・血管迷走神経反射(気分不良・顔面蒼白・目の前がぼやけていく、暗くなる・一時的に意識消失するなど)
・不安発作、パニック発作(強い不安感、恐怖感・動悸・呼吸困難・胸の痛み・めまいやふらつき・吐き気や腹痛など)
・失神(一時的な意識消失発作)
これらはワクチンを接種することに対する過度の不安や緊張など精神的なストレスが引き金となって起こる症状です。
アナフィラキシーで出現する全身の蕁麻疹やかゆみなどは見られず横になって安静にすることで回復します。


ワクチン接種に伴う副反応

接種部位の痛みや腫れ・熱感・かゆみ、倦怠感(疲労感)、頭痛、発熱、筋肉痛、関節痛、悪寒などがありますが多くの場合は接種後数日以内に回復します。
特に接種部位の痛みについては1回目2回目とも約9割の方に出ています。
また、37.5℃以上の発熱については1回目3%に対し2回目は36%と約3割の方に出たとの報告がありました。
(厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家検討会議にて) ワクチン接種後に上記の症状含め何らかの自覚症状を感じたら急に立ち上がらずに周りのスタッフに声をかけてください。
1回目接種後2日以内に発熱のあった方及び全身に発疹が出るなどアレルギーを疑う症状が出現した方は医師の判断により2回目接種を見合わせる場合があります。

アナフィラキシーに関して米国疾病予防管理センター(CDC)による1月の発表では接種994万回中50例で生じていると報告されています。
いずれもファイザー社のワクチンで女性の方が多く、多くは15分以内、9割が30分以内に起きていますので最低でも15分、アレルギーの既往がある方などにおいては30分間は接種場所で観察が必要です。

アナフィラキシーを起こした方の8割はアレルギーの既往があったと報告されています。
従ってアレルギー体質をお持ちの方はアナフィラキシーをご心配になっていると思われますが、これまでのインフルエンザワクチンでも起こりえたものですので、今回のワクチンが特別ということではありません。
特に注意が必要な方は過去にワクチンでアナフィラキシーを起こした人となります。
原因が明らかなアレルギーとわかっている人は特別な心配はいらないですが、原因不明のアレルギー症状が頻繁に出る方は要注意です。
接種に関してご心配な方は医師とよくご相談ください。


最後に…

インフォメーションでは当院での新型コロナワクチン接種について説明していますのでこちらもご参照ください。

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