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ドライマウス(口腔内乾燥)

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
気温が下がってきており、風邪の患者さんが増えてきました。手洗い、うがいを習慣として予防に心がけてください。
またインフルエンザ予防接種が始まっております。12月末まで実施しておりますので、接種希望の方はなるべく早くに受けましょう。当院では予約なしで随時接種できますのでよろしくお願いします。

10月より高齢者肺炎球菌ワクチン定期接種が始まりました。
該当される年齢の方には市役所より案内がきていますのでご確認の上接種を受けてください。
当院でも接種できますが、こちらは予約が必要となりますのでご注意ください。

今回の特集は以前にも取り上げたことのあるドライマウスです。
のどの渇きが持続する場合は病気が潜んでいる場合があります。二次的に歯周病などの口腔疾患をきたすことがありますので軽視できないと思われます。
記事を参考にしていただければ幸いです。


ドライマウスとは?

ドライマウスとは、日本語で『口腔内乾燥』です。
唾液の分泌低下などにより口腔内が渇いた状態です。訴えの多くは中高年層、いわゆる更年期の女性です。


ドライマウスの症状

ドライマウス(口腔内乾燥)
  • 口の渇きが3か月以上続いている。
  • 口の中や舌にひりひりした痛みを感じる。
  • 食べ物が飲み込みにくい。
  • 水をよく飲む。
  • 口臭が気になる。
  • 虫歯になりやすい。

唾液の働きについて

唾液には、自浄作用、消化作用、抗菌作用、粘膜保護作用など、口腔内を守る大切な作用があります。従って、唾液が少なくなると食べカスが口腔内に残りやすくなり、細菌が増殖し、虫歯になりやすくなったり、口臭が強くなったりします。

  1. 自浄作用:歯についた歯垢や食べカスを洗い流します。
  2. 消化作用:唾液中に含まれる消化酵素により食べ物の消化を助けます。
  3. 抗菌作用:唾液中の抗菌物質が口から侵入するウイルスや細菌を撃退し、風邪などの感染を防ぎます。
  4. 粘膜保護作用:唾液中の物質が刺激物や熱い物を飲み込むときにオブラートの役目をして、のどや食道、胃の粘膜を守ります。

ドライマウスの原因は?

  1. 精神的ストレス:唾液の分泌は、自律神経でコントロールされています。ストレスがかかると交感神経が刺激され、唾液の分泌が抑制されます。
  2. 年齢によるもの:加齢により唾液の分泌が低下します。
  3. 薬の副作用:高血圧やアレルギーの薬、抗うつ薬、鎮痛剤、抗パーキンソン薬などの薬の副作用で唾液の分泌が抑制されます。
  4. 口呼吸:鼻に何らかの疾患があり、口呼吸をすることにより唾液が蒸発することで口が渇きます。
  5. 病気によるもの
    ・脱水、糖尿病、唾液腺の病気
    ・シェーグレン症候群、更年期障害

シェーグレン症候群について

自己免疫疾患で眼の渇きと唾液の分泌量低下による口渇が主な症状です。40代から50代の女性に好発します。


ドライマウスの診断

  1. 問診が大切です。
    内服している薬、ストレス、基礎疾患など、患者さんの情報について問診します。
  2. 唾液の分泌量が低下しているかを診断します。
    ガムを噛みながら、10分間唾液をコップにためていきます。10ml以下で分泌低下と診断します。


ドライマウスの治療法

『原因療法』と『対症療法』です。

  • 原因療法
    ドライマウスの原因そのものを取り除く治療法です。糖尿病などの基本疾患があればその治療を優先し、薬の副作用ならば薬剤の変更や減量を考えます。ストレスが原因ならば、その対処法が必要です。
  • 対症療法
    乾燥や痛みなどの症状を和らげるため、『人工唾液』や『保湿ジェル』などを用いて口腔内の保湿をします。またガムを噛むことや、唾液腺マッサージ(☆印参照)などの唾液腺刺激療法も効果的です。内服治療には、唾液分泌促進薬があります。また漢方薬にもドライマウスに有効なものがあります。

☆唾液腺マッサージの方法

【ポイント】食前がおすすめです。力を入れ過ぎず、指で軽く圧迫するようにやさしく行いましょう。

  • 耳下腺への刺激
    人差し指から小指までの4本の指を頬に当て、上の奥歯のあたりを後ろから前に向かって回す。(10回)
  • 顎下腺への刺激
    親指を顎の骨の内側の柔らかい部分に当て、耳の下から顎の下まで5ヶ所位を順番に押す。(各5回ずつ)
  • 舌下腺(ぜっかせん)への刺激
    両手の親指を添え、顎の真下から舌を突き上げるようにゆっくりグーッと押す。(10回)

ドライマウスは何科を受診すればよいのですか?

まず内科、歯科、口腔外科へご相談ください。
歯を含めたことについては歯科口腔外科が専門になります。
シェーグレン症候群については内科と耳鼻科で連携をとりながら診察します。


日常生活でこころがけること

  • 口腔内を潤しましょう。水分摂取を心がけ、虫歯や糖尿病に配慮し糖分の入っていない飲み物を摂りましょう。
  • 部屋の乾燥を防ぎましょう。
  • 良く噛んで食べましょう。噛むことで唾液の分泌を促します。
  • 歯磨きやうがいをこまめに行い、口腔内を清潔に保ちましょう。
  • ストレスを上手に発散しましょう。
  • 人との会話は唾液の刺激につながります。
  • 禁煙を心がけましょう。

最後に…

ドライマウスに関しては当院でも診察をしております。耳鼻科や歯科との連携も行っております。
気になる方はご相談ください。

コメント(2)


2015年8月24日

先日来下に痛みがあります。
痛い部分は下の半分より前側の真ん中あたり。
少し赤くなり、溝が深いように思います。
最初は舌にあるつぶつぶ?のひとつが腫れているような感じでした。

舌がちょうど曲がる部分の痛みがひどく、何かが触れたり舌が動くと痛みを発します。
ですが、食後などは痛みが治まります。
ドライマウスではないかと考えています。
口腔内を潤すための薬品?のようなものがあれば教えてください。
仕事中はほとんど話すことも無く唾液が出ていないと思われます。

投稿時刻 23:11 | blues

2015年8月28日

口腔内の保湿剤としてはオーラルバランスが有名です。

医師の処方で保険適応のある人口唾液もありますが、食事の時の唾液を補充する薬剤とお考えください。

投稿時刻 00:31 | 院長 田中

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