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ステロイドの副作用

みなさん、こんにちは。院長の田中です。
梅雨の真っ最中で雨が続いたり、蒸し暑かったり、気温が下がる日もあったりで気候が不安定ですね。風邪を引きやすく体調を崩される方の受診が増えております。
また熱中症の患者さんも受診されるようになり、水分、塩分をこまめに摂る注意も必要です。体調管理に気をつけてくださいね。

今回の特集はステロイドの副作用です。
主な効果としては抗炎症作用となりますのでいろんな病態で使われます。短期であれば問題ないことが多いのですが、量が多かったり長期投与で副作用の頻度は高まります。
重篤な感染症を引き起こせば死に至ることもありますので厳重な注意が必要です。
ステロイド使用中の方は症状に十分気をつけていただき、変化があれば申告するようにしましょう。
どんな副作用があるかを中心に記載しておりますので参考にしてください。


ステロイドって?

ステロイドとは、もともと私たちの体の中で作られるホルモンです。
別名を副腎皮質ホルモンと言い、腎臓の上部にある副腎という臓器の外側の部分(皮質)で作られています。
ストレスから体を守り、生きていく上で必要不可欠な働きを持つホルモンです。


ステロイド薬とは?

ステロイド薬とは、ステロイドの成分をもとに作られていて、体の炎症を抑えたり、病気の原因となっている免疫の異常を抑える薬です。
ステロイドには、飲み薬・注射・塗り薬・吸入薬などがあり、様々な病気の治療に使われています。


ステロイド薬の注意点

ステロイド薬と聞くと、副作用のイメージが強いため、「できれば飲みたくない」「早く薬の量を減らしたい」と不安に思う人も少なくありません。
副作用に対して過度に恐れるあまり、医師の指示通りに内服せずに病状を悪化させてしまうことがあります。副作用を正しく理解して服用量を守ることが結果的には副作用の軽減につながります。
自分の判断で量を減らしたり急にやめたりしないようにしましょう。
ステロイド薬を長期間内服していると、本来正常に働くべき副腎が委縮してしまい、体内で作っていたステロイドの働きが弱まりホルモン量が低下します。
低下した状態で内服を止めると急性副腎不全と言って、全身のだるさ・疲れやすさ・脱力感などを前兆として、その後、脱水・血圧低下・意識障害・呼吸困難など重症で生命を脅かすことにつながる危険性もあります。


ステロイド薬の注意すべき副作用と対策

  1. 易感染性(感染症にかかりやすい)
    体の抵抗力(免疫力)が低下するため、風邪やインフルエンザ、気管支炎、肺炎などの感染症にかかりやすくなります。通常では感染しにくいカビなどの感染症の頻度が増えます。
    ステロイド薬を内服していると高熱として現れにくいことがあるため、微熱でも用心しましょう。日頃から手洗い、うがい、マスク着用、人混みを避けるなどの一般的な注意が必要です。
  2. 糖尿病
    持病で糖尿病がある方は悪化する可能性があり、そうでない方でも血糖値が高くなることがあります。食事・運動療法による予防が大切であり、内服薬による糖尿病の治療が必要な場合もあります。
  3. 骨粗しょう症
    骨がもろくなり、圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などが起こりやすくなります。
    まずは自分の骨量を知ることです。検査は痛みがなく簡単に行えます。予防としては、カルシウムを十分にとること、場合によっては骨を守るための薬を内服します。
  4. 消化性潰瘍
    胃や十二指腸の粘膜が弱くなるため潰瘍ができやすくなります。また以前からあった潰瘍を悪化、再発させることがあります。胃酸分泌を抑える薬や胃粘膜を保護する薬を予防的に内服します。
  5. 精神症状
    自分の意思に反して多幸感がでて興奮状態になり夜も眠れなくなったり、普段ではとらないような行動をとったりします。その逆もあり、うつ状態となることもあります。
    ステロイド薬を減らしていくと、程度はしだいに軽くなり、後遺症の心配はありません。
  6. 満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満
    食欲の亢進と脂肪の代謝障害により、顔、首まわり、肩、胴体などの脂肪が多くなり、逆に手足の脂肪は少なくなります。(中心性肥満)
    そのために満月のような顔つきになり(満月様顔貌)、美容上の理由で、特に女性はとても苦にしますが、一時的なもので医学的にはまったく心配ありません。
    予防することはできませんが、食事でカロリーを取り過ぎないように管理していくことが大切です。
  7. その他
    血栓症、動脈硬化、高脂血症、高血圧、白内障、緑内障などが見られることがあります。
ステロイドは服用量を守りましょう。
最後に…

主治医も副作用に対し、十分注意して診察していますが、気になる症状があれば、些細なことでも伝えておくようにしましょう。

コメント(6)


2016年5月4日

喘息気味で、ステロイドの点滴を20日ぐらい投与され、鼻の中の粘膜から、鼻血が止まらなくなり、昨日の夜中に、某大学病院で、出血個所を、レーザー治療を受けましたが今は、鼻の中に、消毒液の付いた、ガーゼを詰めておりますが、6日の金曜日に町医者に耳鼻咽喉科を受診してガーゼを取る様に指示されましたが、ステロイドで前途に述べた様に、ステロイド剤で粘膜を傷つける様な、前例はありますか?

投稿時刻 14:31 | ナガサキリュウイチ

2016年5月5日

ナカザキさんへ
鼻出血は経験がありませんが、皮下出血ならあります。太い血管は動脈硬化をきたしますが、細い血管では弱くもろくなり皮下で打撲したわけでもないのに出血することがあります。同様に考えることができるのかもしれませんが推測です。
傷は自然治癒力で修復されますがステロイドが投与されていると修復が遅れますので長引く可能性があります。その過程で出血しやすくなっている傷があるのかもしれません。

投稿時刻 20:42 | 院長 田中

2017年1月24日

10日間喘息発作でステロ イドの点滴をしてから3週間くらいたちますが身体がふあふあし
血糖値があがって
元々、糖尿病予備軍だったので
毎日ハッキリりしない、状態です
どの位でステロイド身体から、抜けるんでしょうか

投稿時刻 18:20 | 吉野啓子

2017年1月28日

吉野さんへ
回答が遅くなりすみませんでした。ステロイド注射剤は通常一日たてば効果は落ちますので抜けるという表現をすることもあります。ただし10日間続けて点滴をした場合は一日というわけにはいかずどれくらいかはわかりませんが、3週間も抜けないということはありません。
恐らく糖尿病は発症している可能性がありますので検査を受けてください。副作用のせいで体調を崩されている可能性が高いように思われます。

投稿時刻 00:26 | 院長 田中

2017年5月17日

私の父82歳が3月の中から4月中旬まで肺気腫の数値が高かったため、一日4本の点滴(内容不明)を打っていました。
しかし、改善しなかったため、その後2週間はステロイドの点滴をし、数値が下がったので退院しました。
退院後3日目くらいより足首から下がパンパンに張るようになり、足の甲からは汁がでています。
5/1より入院していますが、赤黒くなって今も腫れています。
1週間、抗生物質の点滴をしていますが改善しません。
違う抗生物質の点滴をさらに1週間続けましたが改善しません。
現在も点滴を続けています。数日前から胸の下と背中に赤いアザもできています。

他に症状をよくする方法はあるのでしょうか?原因も分かるようでしたら教えてください。

投稿時刻 18:46 | クマガエ

2017年5月21日

クマガエさんへ 回答が遅れてすみませんでした。

肺気腫の数値というものがわかりません。いずれにしてもステロイド治療により効果があったので退院となったが、足が腫れて汁が出ている状態。

蜂窩織炎という感染症を起こしている可能性があります。ステロイド治療により免疫能が低下して感染しやすい状態となったのではないでしょうか?抗生剤で治療していくことになります。

胸と背中の赤いあざはわかりません。抗生剤の副作用の可能性を考えておく必要があるかもしれません。

投稿時刻 19:30 | 院長 田中

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