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肺機能検査

皆さん、院長の田中です。
今月で当院は開業して16周年を迎えました。これも皆さんにご理解いただいているおかげと感謝しております。何かご意見、ご要望がありましたら何なりとお申し出ください。
気が付かないことも多々あると思われますので、参考にさせていただき善処させていただきます。
患者さんが多い時には大変待ち時間が長くご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げます。
近所で閉院された診療所があり、そちらに通院中の患者さん、通院歴のある患者さんが受診されており、一時的に大変多くなっている状況が発生しておりますのでご理解をよろしくお願いいたします。

今回の特集は肺機能検査です。
慢性肺疾患の診断、程度などの把握に必要な検査であり、健康診断にも含まれることがありますが、受けられた方は少ないほうだと思われます。
特に喫煙者は将来、慢性閉塞性肺疾患を高率に発症するため、早期に発見するためにもこの検査は有用となってきます。息苦しいという症状があれば肺機能が低下していないかをチェックするために当院では検査を行っております。
特に高齢になるにつれ、年のせいだから仕方ないなど自己判断せず受診して検査が必要か診てもらいましょう。


肺機能検査とは?

息を吸ったり吐いたりして口から出入りする空気の量・速度を測定する事により、肺の膨らみやすさや気道の空気の流れやすさを評価する検査です。
スパイロメーターという装置を用いて測定します。
測定値は年齢・身長・性別・喫煙歴などの情報に基づく予測値を基準値(100%)として比較します。


肺機能検査で測定する主な項目

  1. 肺活量(VC):空気を胸いっぱい吸ってから最大限に吐き出した量
  2. 努力肺活量(FVC):空気を胸いっぱい吸いこんだ後、勢いよく一気に最後まで吐き出しきった全ての量
  3. 1秒量(FEV1.0):努力肺活量のうちの最初の1秒間に吐き出した量
  4. 1秒率(FEV1.0%):努力肺活量に対する1秒量の割合
  5. 肺年齢:1秒量による肺年齢

この検査で疑われる病気

■肺活量が基準値の80%未満の場合~これを拘束性障害といいます。
・間質性肺炎/肺線維症/呼吸筋/神経疾患/肺結核後遺症/脊椎骨の変形等
■1秒率が基準値の70%未満の場合…これを閉塞性障害といます。
・慢性閉塞性肺疾患(肺気腫・慢性気管支炎)/気管支喘息/気管支拡張症
■肺活量が80%未満かつ一秒率が70%未満の場合混合性障害といいます。

気道可逆性試験 気管支喘息が疑われる場合、気管支拡張剤を吸入する前と後で1秒量がどのくらい増えるかをみる検査。
吸入前後で1秒量が200ml以上かつ12%以上改善していれば可逆性ありとして喘息と診断しています。
ただし、喘息は夜間に症状が出やすく日中は安定していることが多く、検査するときの状態によって可逆性を認める場合と認めない場合があります。
認めれば喘息を疑いますが認めなくても否定はできません。
一方で慢性閉塞性肺疾患では可逆性を認めません。

肺活量検査をうける時の注意点

  • 胸やお腹まわりを締めつけないようなゆったりした服装で行う
  • 風邪などひいていない普段の体調のときに行う
  • マウスピースをくわえた口周囲から息漏れしないように注意する
  • 最大呼気・最大吸気とも自分が出来る範囲でとにかく努力する
  • 満腹の場合最大限に息を吸ったり一気に吐き出す動作が辛い場合もある為検査直前の食事は避ける
  • 喘息や肺気腫などがあり息苦しくなる場は無理せず座位で検査を受ける
  • 膝や股関節などに問題があって立位保持が難しい場合も座位で検査できます
  • 緊張せずリラックスして検査を受ける事が大切です

この検査を定期的に(年1~2回程度)行う事で病気の診断をしたり、進行の程度や治療の効果を判定し今後の治療に役立てていく事ができます。
また、手術前の肺機能評価や身体障害の認定評価にも用います。

■ガス交換機能検査(動脈血液ガス分析)
ガス交換の効率をみるための重要な検査で、動脈血の酸素と二酸化炭素分圧の測定を行います。
同時に酸塩基平衡(pH)を測定できます。
動脈血酸素分圧は60mmHg以下になると呼吸不全となり、酸素吸入を必要とする状態と判断します。
動脈血酸素分圧は採血手技が難しいため、動脈血酸素飽和度で代用されることが多いです。
酸素飽和度とは赤血球の何%が酸素と結合しているかを言い、パルスオキシメーターという機器を用いて指にはさむだけでデータ表示されるので診察時によく用いられ便利です。
換気量が低下すると二酸化炭素の呼出が悪くなり、動脈血二酸化炭素分圧が上昇します。
正常は40mmHg前後ですが、上昇により意識障害が生じます。
慢性閉塞性肺疾患の進行した状態、神経筋疾患で上昇します。


最後に…

呼吸器疾患の検査と言うとレントゲンを一番に思い浮かべる人も多いと思いますが、喘息のように画像は異常なくても呼吸機能検査で診断がつくことがありますので、診断的価値がある検査と言えますし、どの程度の肺機能かを知ることで障害の程度を判断し、酸素吸入の必要性があるかの判断にも使います。
最近では人間ドックなどの健康診断にも含まれている場合があり、検査をきっかけに病気が見つかる場合がありますので、呼吸困難がある場合は特に検査を受けたほうが良いと思われます。

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