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百日咳(成人)

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
梅雨に入って雨の日が多くなってきました。気温が上がったり下がったり寒暖差もあり、気道の敏感なひとに咳が出やすくなっています。体調も崩しやすくなりますのでご注意ください。
今月より特定検診がはじまります。予約制となりますが、一般診察と平行して行いますので、多少待ち時間が生じるかもしれません。ご迷惑をおかけしますがご理解をお願いします。
今月の特集は百日咳を取り上げます。
小児の病気ですが、最近成人発症が増加しています。昨年は大学で流行があったことは記憶に新しいと思います。慢性咳の一番多い基礎疾患は咳喘息ですが、百日咳が隠れている可能性が十分あります。ワクチン接種前のお子さんには感染しますので、他人事ではありません。成人発症を中心にまとめてみました。


百日咳とは?

百日咳は百日咳菌によって引き起こされる気道感染症であり、その名前の通り、長期間続く激しい咳が特徴です。咳が出ている間ずっと感染性があるのではなく、3週間くらいで感染性はなくなり、菌が産生する毒素で気道粘膜が刺激されて咳が生じます。潜伏期間は約1週間です。


発症後の病期

  1. カタル期(1~2週間):無熱で感冒症状(鼻閉、鼻汁など)を呈し、普通の感冒と区別はできない。
  2. 痙咳期(4~8週間):百日咳に特徴的な連続性の咳や吸気時の笛声音が出現する。この咳発作は昼間より夜間に多く、百日咳様の顔貌(舌の突出、真っ赤な顔、浮腫状の眼瞼)を呈することもあります。
  3. 回復期(1~2週間):成人ではこの時期に咳が長引くと言って受診されることが多い。


診断方法

  • 問診:百日咳確定患者さんとの接触があれば、疑う根拠として十分です。
  • 症状:成人の場合、小児の特徴的な咳を呈することが少ないため、症状から疑うことは難しい。
  • 細菌検査:百日咳菌の培養での診断は低く、成人では約9%です。菌の分離、培養が難しいためです。
  • 血液検査:リンパ球の増加が特徴とされるが、成人ではみられない。血清抗体価の上昇で診断は可能ですが早期診断はできません。2週間以上あけて2回抗体価を測定し、4倍以上の上昇があれば診断できます。1回でも有意な上昇があれば診断はできます。


治療

抗生物質としてエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌剤が有効です。これはカタル期には有効で、投与5~7日で菌の排出は消失し感染力は低下するといわれています。
菌を消滅させるには2週間服用が必要です。成人の場合、一般的に咳症状が4週間を超えており、すでに痙咳期に入っていると考えられ、菌は消失後であるために抗菌薬の効果は期待できません。しかし咳が抗菌剤で改善するケースがあるので投与を試みてもよいようです。
激しい咳に対して鎮咳剤や気管支拡張剤が使われることがあります。


成人での発症が多くなっている理由

ワクチン接種後の抗体価の低下:ワクチン接種後3~5年で抗体価の減少が始まり、10~12年で予防効果が失われるとされています。
またワクチン接種者が感染した場合、症状が特徴的ではないために、診断が遅れやすいことも理由になります。


百日咳の感染のしかたと予防法

百日咳の感染は、菌がくしゃみの際などに唾液とともに空気中に放出、飛沫されたものを吸いこんだり、接触により菌が体内に入り込むことで引き起こされます。
飛沫感染を防ぐためには、なるべく人ごみを避けたり、マスクを着用することです。うがいも忘れないように。接触感染を防ぐためには手洗いをしましょう。


クリニックでの経験

子供さんとお父さんがひどい咳で発症しているケースを経験しました。子供さんは小児科で百日咳と診断されていましたので、お父さんも百日咳を疑い、血清抗体価の上昇をもって百日咳と診断しました。
前医でクラリスロマイシンを投与されていましたが、効果はなかったようで、菌が消失後であったためと思われました。鎮咳剤で改善しました。


最後に…

クリニックでは慢性咳の患者さんが一番多く、一般に原因第一位は咳喘息と言われており、当クリニックでもそのとおりです。
百日咳であったとしても、慢性期では咳喘息の治療が効きますので、見過ごしているケースがあるかもしれません。ただ受診時には感染性はすでになくなっており隔離の必要はありませんが、乳児のいる家庭では要注意です。
子供さんも咳をしているなど、疑われるケースでは抗体価をチェックして診断していくことにしております。ご心配な方は相談ください。

コメント(2)


2015年9月20日

はじめまして、百日咳の件でお聞きしたいと思います。
9月14日にのどの痛み、軽い咳があり熱が37度3分ありました。15日に近医を受診白血球10900
CRP1.4ありウイルスと細菌感染しているといわれ抗生剤メイアクトと気管支拡張剤が処方されました。
しかしその日の夜から咳がひどくなりいったん咳き込むと立て続けに出て嘔吐するまで止みません。
咳はタンを伴うものと空咳どちらもでます。夜の咳で十分な睡眠がとれず17日に再度受診しテオドールと
コデインシロップが処方されましたがテオドールで動機と目が冴えて眠れませんでした。コデインシロップは結構効きました。専門医に診てもらった方がいいと思い19日に呼吸器科を受診、レントゲン、血液、
肺機能など調べてもらいました。マイコプラズマ肺炎(-)クラミドフィラニューモニエIgM(-)
肺機能では喘息の人が呈する直線的な下降がみられ、メイアクトを5日間服用した割には白血球9500
CRP0.98とまだ高めでした。咳喘息だと思うが百日咳の可能性もあるのということで抗生剤はジスロマックが出ました、他フルティフォームエアゾールと咳止めです。その日の夜空咳は出なくなりました。が
夜間の咳き込みが約一時間ごとにあり結局不眠状態です。今までも風邪をひくと同じように咳き込むことはありましたが今回はひどいです。もしかしたら百日咳なのかなとも思います。家族や職場の人に移らないか心配してます。

投稿時刻 07:40 | イトウ アツコ

2015年9月23日

印象としては気道感染をきっかけに咳喘息を発症したといったところですが、咳症状が酷いので百日咳も否定できません。周りに咳の持続している人はいませんでしたか?百日咳でしたら誰からか感染しています。

そして発症してから2週間以内ですので周囲の方に感染させている可能性があります。マスクの着用で防げると思います。抗体を測定して診断することになりますが、可能性を考えて検査されているのではないでしょうか?咳喘息ですと症状改善にもう少し時間がかかりますが、百日咳の咳はやっかいでなかなか薬が効きません。

百日咳に対する抗生物質も処方されていますし、もうしばらく経過をみてください。

投稿時刻 00:32 | 院長 田中

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