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在宅酸素療法

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
5月になりこの記事もゴールデンウィークに書いておりますが、連休でお疲れが出ていませんでしょうか?4月のクリニックの近況としては在宅患者さんに悪い方がおられましたので忙しくしておりました。クリニックでは在宅診療を24時間対応で行っておりますので相談ください。
当院は呼吸器内科が専門ですので、在宅患者さんも呼吸不全の方が多いのが特徴です。よって自宅で酸素吸入をされている方も多く、呼吸状態が悪くなれば電話で相談をしたり、往診をすることになります。
今回の特集は在宅で酸素吸入している方のために在宅酸素療法を取り上げました。
患者さんだけではなく家族の方にも理解を深めていただきたいので、参考にしていただければと思います。


在宅酸素療法の適応となる疾患は?

在宅酸素療法の適応基準が設けてありますので、基準を満たせば疾患にかかわらず、導入することができます。低酸素血症をきたす呼吸器疾患、循環器疾患がほとんどを占めます。
癌の末期で低酸素血症をきたしても適応となります。


酸素吸入が必要と判断する方法について

息苦しいからといって酸素が低いとは限りません。低酸素血症は動脈血の採血で判定できますが、簡単な方法として指にはさむだけで動脈酸素飽和度が測れる機器がありますので、90%未満ですと低酸素状態と言えます。
安静時には正常でも運動時に低下する場合もありますので、運動させてみて低くなる人には運動時のみ酸素吸入を指示します。


在宅酸素療法でどのような効果が期待できるのですか?

酸素吸入を始めるようになってしまえば、もうおしまいだと悲観的になってしまう方もいますが、酸素吸入をしながら生活することで、生命予後の延長が期待できます。
病院で酸素を吸いながら入院生活を続けるより、行動範囲が広く家族とともに生活ができ、 精神的にも安定が得られます。
また心臓に対する負担も軽くなるという効果が証明されています。


一度在宅酸素療法を始めてしまうと止めることはできないのでしょうか?

基礎疾患が進行したために酸素吸入が必要になった場合は、一生吸入することになります。 感染症や心不全を合併して一時的に悪化した場合では、状態が改善すれば、低酸素血症も改善して酸素吸入を止めることができる場合があります。 また呼吸リハビリをすることで息苦しさが改善して酸素吸入が必要なくなった症例も経験しています。


酸素を長期に吸入して害はないのでしょうか?くせになりませんか?

酸素を長期間吸入することで、害になることはありません。
高濃度の酸素吸入を続けると肺に良くないことは報告されていますが、在宅酸素吸入は通常高濃度の酸素吸入をしません(必要な方は入院治療が必要です)ので、副作用の心配はいりません。
くせになってやめれないということはありません。


在宅酸素はどのようなしくみで吸入できるのですか?

自宅には酸素濃縮器を設置します。これは大気中の空気を取り込んで、酸素だけを供給しようとする装置で、電源さえあれば酸素を絶えず吸入できます。
外出時は移動用ボンベを使用しますが、無くなる前に業者に交換してもらいましょう。保険適応で交換は何本でもできます。


酸素吸入で爆発などの危険はないのですか?

濃縮器はボンベではないので、爆発するということはありません。
ただし吸入している方が喫煙をするとか、火気のそばにいてやけどを負うという事故は起こってますので、火気には注意してください。


酸素濃縮器は故障した場合の対応は?

故障した場合は、酸素業者に連絡をしてください。24時間対応してくれます。その間は移動用ボンベの酸素吸入をしてください。
停電した場合は、内蔵バッテリーがあるのですぐにはとまりませんが、移動ボンベに切り換えて待機、もしくは長時間停電なら病院へ行きましょう。


保険適応ですが、支払いはどのようにするのですか?

通常濃縮器と移動用ボンベを使用すると一か月の支払い額は1割負担の方で約9000円、3割負担の方で約27000円と高額になります。
一か月に一回は受診していただき、診察代が含まれていますので、診察後にお支払い頂きます。
酸素業者には医療機関からレンタル料金を支払うことになっており、患者さんが業者に支払いをすることはありません。


呼吸が苦しくなったら、酸素の量を増やしてもよいのでしょうか?

勝手に酸素流量を増やしてはいけません。病状によっては流量を増やすことで、動脈血の二酸化炭素が増えて、意識状態が悪くなる場合があります。
息苦しい時はすぐに受診してください。
また在宅酸素療法処方医は患者の病状の変化に24時間対応するように決まっております。連絡の上指示に従ってください。
動いた時だけ息苦しさが強くなる場合には、その時だけ流量を増やすことを許可していますので、主治医の先生と確認をとっておくといいでしょう。


旅行はできますか?事前に許可がいりますか?

主治医の先生に許可をもらって下さい。その後酸素業者が、旅行先に酸素ボンベや濃縮器の手配をします。
過疎地でなければ全国手配できます。交通機関利用に際しては、航空機の場合許可がいります。
その他は原則許可を必要としませんが、旅行会社を通じて話してもらったり、連絡しておいたほうがいいでしょう。


最後に…

在宅で酸素を吸うようになったからといって悲観的になることはありません。
酸素吸入しながら、仕事をしたり旅行をしたりして、いきいきと活動している人はたくさんいます。上手に付き合えばよいのです。
主治医、業者ともに24時間対応をしておりますのでご安心ください。

コメント(7)


2012年12月12日

在宅酸素吸入には副作用は無いとの記述に一言
 二年前よりCOPDにより在宅酸素を行うようになりました。包括的呼吸リハビリを受け仕事を継続しています。労作時間の長い仕事場に濃縮機を設置し使用、自宅外出時は携帯ボンベを使用しています。比率は半々です。ボンベの使用時間が多いためか鼻の乾燥、喉の乾燥が。時には鼻が詰まっているようで呼吸が苦しく感じます。最近は臭いがまったくわからず苦慮しています。
 濃縮機の使用時でも濃縮機への水分補給をしないと鼻に刺激を感じます。ボンベでは加湿器が無く鼻の乾燥を招いてしまうのではと感じております。
 在宅酸素自身には問題は無くとも機器による副作用の要因はあると思います。それらも含めてご指導いただきたくお願い申し上げます。

最後に・・・で記載されていることを行うには医療機器の提供改善を切に望みます。

投稿時刻 10:05 | 吉川

2012年12月12日

コメントありがとうございます。副作用についてですが記事では全身的な副作用がないという意味で書いたのだと思います。ただしご指摘の鼻や喉の症状はあり、患者さんにとっては不快な症状であるため、書くべきであったと反省しております。これからの時期は空気が乾燥しますので加湿器は必要です。ボンベの加湿器が付属できるような改良は望まれますね。マスクをすれば楽になる方がいますが、かえって苦しいといわれる方もおりさまざまです。

こういったご意見があったことを酸素業者には話しておきます。なにか新しい情報が聞けるようなら書き込みをいたします。

投稿時刻 14:16 | 院長 田中

2015年5月16日

父が在宅酸素の使用の為のリハビリ入院をしています。
最近、物忘れが酷く心配はしておりましたが やはり病院から連絡があり、外出用の酸素の取扱いが覚えられないとの事で家族も一緒に聞いて欲しいと言われました。私達も仕事を持っており日常の生活、一日中一緒には居られません。色々な注意事項も覚えていられるか不安ですし
勝手に外してしまうかもしれないので心配です。
認知症の患者さんなどの場合、どんな環境で使用しておられるのでしょうか?

投稿時刻 09:20 | 中田

2015年5月18日

認知症の方の在宅酸素療法は見守りが必要です。勝手に外したり取り扱いが覚えられない方がいます。
酸素流量を一定にし、流量変更や電源をオフできないような工夫が必要だと思いますので、業者とご相談ください。そういったケースへの対応もしてくれると思います。
ディサービスを利用されるようであれば、行き帰りと滞在先で見守りはしてくれるでしょう。
認知症にはディサービス利用で改善が認められたり、進行が止まることも報告されており、ぜひご検討ください。

投稿時刻 00:35 | 院長 田中

2015年5月18日

ありがとうございました。
やはり家族もDVDを見たり業者の方の説明も受けたりしなければダメなようです。
先が不安ですが 何とか頑張ってみます。
先生のような親切なクリニックが近くにあったらと
切に思います。

投稿時刻 13:23 | 中田

2015年10月11日

昨年から在宅酸素療法を受けています。歩行障害をきたしたたため通所デイケアでリハビリをしていましたが、先月そこを卒業し、一般向けのスポーツクラブを紹介されて通いだしました。酸素ボンベは携行していますが、電車での行き帰りも、運動中も酸素ははずしたままです。それでも全然苦しくありません(酸素飽和度は97%前後です)。田中先生のコメントに「呼吸リハビリをすることで息苦しさが改善して、酸素が必要なくなった症例もあります」とあるのを読み、私も希望をもつことができました。運動と食事に気を配りながら、酸素フリーの身になれるようにがんばります。

投稿時刻 14:52 | 堀

2015年10月11日

堀様、コメントありがとうございました。同じような方の励みになると思います。頑張ってください。

投稿時刻 22:51 | 院長 田中 

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