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マイコプラズマ肺炎

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
酷暑が過ぎ朝晩は少し涼しくなってきました。夏バテされた方もいると思いますが、秋になり体力が回復することを願っております。
2か月ごとに診察を受けている方には、もう10月下旬以降に始まるインフルエンザ予防接種の受付をしています。
時間がたつのは早く、すぐに冬の準備に追われそうです。

今回は呼吸器感染症で頻度が多いマイコプラズマ肺炎を取り上げました。
昔はオリンピック開催年に流行したのですが、いまは関係なく発症し、市中肺炎の原因として多いので我々医療者も肺炎の特徴を理解しておく必要があります。
これから気温が下がっていくにつれて肺炎の頻度は増えますので参考にしてください。


マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ・ニューモニエという名前の病原体によって起こる肺炎です。
肺炎の10~20%程度はマイコプラズマが原因によって起こると言われている、よくある病原体です。
全体の約80%が0~14歳以下ですが、成人にもマイコプラズマは感染します。
咳やくしゃみなどから感染し、学校、職場など人の集まる場所を通じての感染や、家族からの感染があります。
マイコプラズマ肺炎は一年を通してみられます。


潜伏期間と二次感染

マイコプラズマに感染し症状が出現するまでの期間(潜伏期間)は2~3週間と長く、マイコプラズマにかかった人と接触してもすぐには症状が現れません。
この潜伏期間中で症状が出現する1週間前から症状が出始めた後10日程度が第3者へ二次感染を起こす期間でもあります。


マイコプラズマ肺炎の症状は?

しつこい咳と発熱(微熱のこともあります。)が特徴です。
初期にはコンコンという乾いた咳ですが、徐々に強くなり、痰のからんだ咳になることもあります。
頭痛、だるさ、喉の痛みなど風邪と同じような症状があります。
肺炎にしては元気なことが多く、風邪と言われて薬を飲んでいても、熱が下がらない、咳がなかなか治まらない場合マイコプラズマ肺炎が疑われます。


マイコプラズマ肺炎の診断

胸のレントゲンだけでは、マイコプラズマが原因の肺炎と確定することが出来ません。
マイコプラズマ肺炎かどうかを調べる方法には、主に「抗体検査」と「抗原検査」があります。
抗体検査…病状初期に採血をして、その2週間後の採血との比較(ペア血清)で抗体価の有意上昇があれば陽性です。
急性期の1回で調べる方法もありますが、ペア血清より不十分で参考程度です。
抗原検査…喉の奥から菌をこすりとって調べる方法です。
マイコプラズマ抗原キットを用いることで迅速に(約20分)検査結果がわかります。
また、精度の高い、LAMP法と言ってマイコプラズマに特徴的なDNAを直接検出する遺伝子検査もありますが結果が出るのに2日程度要します。


マイコプラズマ肺炎の治療

一般的な肺炎に効く抗菌薬(ペニシリン系、セフェム系など)は無効で、マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗菌薬が有効です。
近年、マイコプラズマ感染症に通常使用される抗菌薬の効かない、マクロライド耐性マイコプラズマ肺炎が増えています。
耐性菌に感染した場合は他の抗菌薬で治療します。
多くの場合、入院しなくても外来で治療することができ、内服期間は7~14日間です。


合併症

気管支炎、気管支喘息、中耳炎、副鼻腔炎、心筋炎などがあります。
注意すべきものに髄膜炎があります。
高熱が続き嘔吐・頭痛がみられる場合は、すぐに受診が必要です。


マイコプラズマ肺炎の予防

マイコプラズマに対する予防接種は今のところありません。
感染経路は飛沫・接触感染です。
流行期にはマスクの着用、手洗い・うがいなどの励行と、なるべく人ごみを避けるようにしましょう。


いつから学校へ行けるの?

第3種学校伝染病に指定されていて、出席停止については特に明記されていません。
高熱が続く時や咳がひどい時はお休みし、解熱して1~2日経てば登校してよいと思いますが、症状には個人差があるので医師の意見や本人の体調により判断してください。
ただし、しつこい咳が続くことがあるので、マスクを着用したり、激しい運動は控えた方が良いでしょう。


最後に…

当院では症状、レントゲン所見、マイコプラズマ抗原キットの結果からマイコプラズマ感染の診断をしております。
重症例では入院先を紹介しておりますが、大部分は通院で治療が可能です。
周りにマイコプラズマ肺炎にかかった人がいて感染兆候がありましたら受診して検査を受けましょう。

コメント(5)


2017年9月7日

コメントというか質問させていただきます。

マイコプラズマ肺炎と長期間続く熱との関係です。

先週、小2の息子が40度を越える熱が2日間続き、病院でもらった解熱剤では下がらない為、レントゲンを撮った所、肺炎と診断、入院となりました。

マイコプラズマ肺炎ということで抗生物質の点滴をしましたが、40度の高熱はその後5日間ほど下がらず(その間、抗生物質は4種変更)、ステロイドを投薬、2日間ほどで熱は下がり始めましたので退院しました。退院時も37度代はありましたが、そのご約1週間になりますが37度台の熱があがったり、さがったりしながらまだ続いています。

退院時はまだ、レントゲンで肺炎の影は残っていました。

血液検査の結果も、CRPは基準内に収まってますが、LD値は基準より高い、白血球値も基準より高い状況で熱の原因がはっきりわからないと言われています。

マイコプラズマ肺炎の熱は長く続くものでしょうか?あるいは、また別の悪い箇所がある可能性があるのでしょうか?

投稿時刻 20:25 | ドリー

2017年9月7日

ドリーさんへ

薬剤耐性のマイコプラズマだったのでしょう。ステロイドを使わざるを得ない状態だったのでしょう。まだ影が残っていることより肺炎の後遺症として器質化が起こっているのかもしれません。
咳は続いていませんか?咳が続けば体温は上昇します。
LDは器質化肺炎でも上昇しますが、肝機能障害でも上昇します。マイコプラズマ感染では一時的に肝障害が認められます。
マイコプラズマ感染は治まっていると思われますので抗生物質は不要ですが、器質化肺炎であればステロイドを投与するのが良いかもしれません。ただ自然に回復する可能性もあるのでもうしばらく様子をみられてはどうでしょうか?

投稿時刻 20:34 | 院長

2017年9月7日

長文になりますが、質問させて下さい。
14歳の娘が6月6日に初めて発熱し、かかりつけの小児科に連れて行ったところフロモックスを3日間処方され、それでも熱は下がらず同じ薬を5日分と血液検査を行いました。
結果はCRPの数値も上がっておらず、白血球の上昇もなく、異常は無いと言われ、抗生物質が効かないのならば何かのウィルスだろうと言われ、ここでは何も出来ないと言われたので大きな医療センターに連れて行きました。血液検査を行い、薬はクラリスを5日分処方されました。この日も血液検査では何のウィルスか発見出来ず、取り合えず薬を飲んで熱が下がらなければまた来て下さいとのことで、飲みきりましたが熱は下がらず、今度はオゼックスを5日分処方されました。それでも熱は下がらず、今度はもっと詳細な血液検査をするという事で、その一週間後にやっとマイコプラズマ肺炎だと診断がつきました。先生は今まで飲んだ薬で菌は死んでるから、まだ熱があるのは残り火みたいなもの。そろそろ引いてきます、と言われましたが、いまだ朝は37.5~昼から夕方にかけて38℃近く上がります。
もうすぐ1ヶ月近く経ってしまいます。その間学校もずっとお休みで、いったいこれからどうすればいいのか? 先生は菌は死んでるから学校に行ってもいいと仰いましたが、熱がある状態で行かすのは学校側としても困ると言われ…。熱はどうすれば下がるのでしょうか? もう一度受診した方がいいのでしょうか?
長々と書き連ねましたが、お答え頂けると幸いに思います。宜しくお願い致します。

投稿時刻 21:51 | 高瀬 桜

2017年9月7日

高瀬さん、ご心配のことと推察します。

治療は終了しているにも関わらず発熱が続くということですが、原因はよくわかりません。
採血をされているので肝機能もみていますか?マイコプラズマ感染症では肝機能障害を認めることがあります。またこれまで投与された抗生物質による肝機能障害も可能性があり、そのための発熱も考えておく必要があります。

感染症としての発熱でないのであれば登校は可能です。十分治療も受けてますので感染性の可能性が低く、
マスク着用で登校すればよいと思われますので主治医に診断書を書いてもらえばよいと思います。

発熱時の解熱剤内服を処方されていれば内服してみてはいかがでしょうか?

投稿時刻 21:58 | 院長

2017年9月7日

早速のお返事ありがとうございます。藁にもすがりたい気持ちだったので、とても感謝しております。
血液検査の結果では肝機能は問題ないと、先生に言われました。ALPの数値だけが基準値より低く出ていましたが、関係ないと言われています。田中先生に言われた通り解熱剤の服用をしてみようと思います。

本当にありがとうございました。

投稿時刻 22:07 | 高瀬 桜

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