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食中毒

みなさん、こんにちは、院長です。
7月になり、むし暑い日が続いていますが、体調を崩されていませんでしょうか?
外来の患者さんはこの時期でも風邪や胃腸炎が多いので日ごろから健康管理に気をつけてください。
今月の特集は食中毒を取り上げます。
食中毒は報道で取り上げられるように飲食店で感染するイメージが強いのですが、全体の約2割は家庭でも発症しているのです。これからは流行する時期となりますので、家庭での食事でも油断していると患者になる可能性があります。症状や治療法、予防法についてまとめてみましたので参考にしてください。


食中毒とは?

原因となる細菌やウイルスなどの病原体が付着した食品や有毒な物質が含まれた食品を人が食べることによって発症する病気のことを言います。
毒キノコやフグ毒も食中毒に含まれますが、ここでは一般的な細菌性、ウイルス性食中毒について書いております。


食中毒の症状は?

共通する主な症状は、嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの胃腸炎症状です。
病原体によって発症までの時間、原因となりやすい食品に特徴がある場合があり、原因病原体を推測するのに役立ちます。


食中毒の分類

食中毒には大きく分けて、感染型と毒素型のふたつに分類されます。

感染型

  1. 感染侵入型~細菌が腸管に入り込んで自らが食中毒を起こすタイプ
  2. 感染毒素型~細菌が腸管内で作り出した毒素により食中毒を起こすタイプ
1.感染侵入型
サルモネラ
(原因)食肉類、マヨネーズ、乳製品や生卵
(発症)12~24時間後に発症
(症状)発熱(高熱が多い)・腹痛・下痢・嘔吐
(経過)1週間以内に回復
カンピロバクター(家畜の腸管に生息する菌)
(原因)牛肉・鶏肉・豚肉(特に鶏肉に多い)
(発症)2~7日後
(症状)腹痛、嘔吐、下痢
(経過)抗生物質(マクロライド系)が効く

2.感染毒素型
腸炎ビブリオ
(原因)魚介類(刺身・たたき・天ぷらなど)・生の魚介類を扱った調理器具
(発症)6~20時間後
(症状)下痢・腹痛・嘔吐・発熱
(経過)2~3日で回復
病原性大腸菌(O-157は出血性大腸菌で有名になりました)
(原因)井戸水・サラダ・肉類が多い
(発症)12時間から5日後
(症状)下痢・腹痛・嘔吐・出血性大腸菌では血便や腎不全をきたすことがある
(経過)老人や幼児では致死的となることがある

毒素型

細菌が出す毒素が食品内に含まれていて摂取することで発病するタイプ
黄色ブドウ球菌
(原因)おにぎり・お弁当や仕出し料理・調理者の手から感染する
(発症)1~6時間(平均3時間)
(症状)発熱はない・腹痛・嘔吐・下痢
(経過)1日で回復
(予防)手の傷に注意すること、手洗いをまめにすること
ボツリヌス菌
(原因)ソーセージ・缶詰・いずし(魚の発酵食品)からしれんこん・はちみつ
(発症)12~24時間後
(症状)めまい・視力低下・発声・嚥下障害・麻痺症状など重篤になる
(経過)死亡率が高い、診断後抗血清を投与する必要がある
ノロウイルス
(原因)汚染された貝類(特に牡蠣)を生で食べた場合
(発症)1~2日
(症状)嘔吐・下痢・腹痛
(経過)軽症で済むことが多いのですが、老人では死亡例あり


原因で一番多いのは?

原因食品を特定できないこともあるのですが、魚介類とその加工品、仕出し弁当が上位を占めています。
魚介類ではノロウイルスや腸炎ビブリオ、仕出し弁当で多いのはサルモネラ菌、ノロウイルス、ブドウ球菌です。


食中毒予防のポイント

  1. 買い物や調理は新鮮なものをスピーディに
  2. 冷蔵庫に入れておけば安心?低温でも菌は死にません
  3. まな板、包丁、布巾はよく洗って熱湯で殺菌後、乾燥させましょう
  4. 調理前、食事前の手洗いを励行しましょう
  5. 食材はよく洗い、十分に加熱しましょう
  6. 生肉、生レバーを食べないように


食中毒が疑われたらすぐに受診しましょう

食中毒は死に至ることもあるので、早めに受診してください。 原因と思われる食品や嘔吐物、便などをビニール袋に入れて保存しておきましょう。診断の重要な手がかりになります。
一緒に食事をした人で同様の症状を訴えている人がいないか確認してください。
可能性のある食べ物、摂取してから発症するまでの時間を記録しておきましょう。


食中毒の診断は?

原因病原体を検出することで診断は確定します。医療機関や検査機関で調べたり、集団発生の場合は保健所に届け出を行いそちらで検査をすることになります。


食中毒かも?家庭での注意点

食中毒でなくても、発熱、下痢、嘔吐という症状は脱水となりやすいので、水分補給をまめにしてください。飲んでもすぐに吐いてしまうとか、下痢で出てしまうというときは少量ずつ何回もわけて摂取してください。
それでものどの渇きが強い時は点滴をした方が良いので、医療機関を受診しましょう。
飲料水としてはスポーツ飲料が適しています。
嘔吐があるときは嘔吐物でのどに詰まることがりますので、吐きやすい体勢をとり窒息しないように注意してください。
下痢に対する下痢止めは好ましくありません。便に含まれている病原菌やウイルスを腸管に長く留まらせることになり、治癒が遅れます。ビオフェルミンなどの整腸剤の服用は構いません。


最後に…

これからの季節は食中毒の頻度が多くなります。家庭では手洗いや調理用具の殺菌、乾燥を十分にしてください。古くなった食べ物はもったいないと思わずにあきらめることも大事です。
日常生活の中で衛生管理に気をつけて食中毒にかからないようにしましょう。

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