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新型インフルエンザ(H5N1型鳥インフルエンザ)

みなさん、こんにちは、院長です。
1月〜2月はインフルエンザが猛威をふるいました。2月中旬以降は患者数も減ってきましたが、まだまだ油断できません。一昨年は4月まで流行していましたので、引き続きインフルエンザおよび風邪対策として、うがい、手洗い、マスクなどの予防に心掛けてください。
今月の特集は新型インフルエンザを取り上げます。
最近愛知県でうずらの鳥インフルエンザが見つかりましたね。新型インフルエンザが驚異的で致死的な感染症というイメージは報道などでお持ちでしょうが、まだまだ身近には感じられないのが現状だと思います。院長もたぶん大丈夫ではないかと楽観的に考えてきましたが、姫路市ではその対応が遅れていると聞きちょっと不安にもなっていますし、十分な知識も持っていなかったので勉強してみました。参考にしてください。


従来のインフルエンザとの違い

特に東南アジアを中心に鳥の間で流行しているH5N1型の強毒型鳥インフルエンザから発生すると言われています。鳥から鳥、鳥から人へと長い間流行を繰り返しているうちに、ウイルスが突然変異を起こし、人から人へ感染するように変わってきました。
普通のインフルエンザはウイルスが全身に回るということはないのですが、新型インフルエンザは全身に影響が出ますので、高率に死に至ります。
またこれまでに人間は免疫を持ったことがない病気なので爆発的に流行します。


鳥インフルエンザは人にうつる?

2003年以降、H5N1型の鳥インフルエンザが世界的に広がり、日本でも養鶏場での感染例が報告され、と殺処分することで感染の拡大や人への感染もありませんでした。しかし世界的な流行で鳥だけの感染におさまらず、1997年の香港での流行では鳥から人へ18人が感染し、6人が亡くなっており、その後も人への感染例は毎年報告されています。


人への感染経路は?

感染した病鳥や死鳥との接触によって人へ感染するのが主ですが、それを非加熱で口にする経口感染もあります。日本では養鶏業界でインフルエンザのチェックがされており、感染が分かった場合に徹底的な撲滅対応がなされるために市場に出回ることがありません。ただし、鳥インフルエンザ流行地では、鶏肉や卵は十分加熱されている状態で食べるように気をつけてください。


ワクチンはない?

まだ新型インフルエンザのワクチンはなく、プレパンデミックワクチン(今流行している鳥インフルエンザであらかじめ作られたワクチン)しかありません。日本では現在2千万人分の国家備蓄があります。新型インフルエンザのワクチンは全く新しいウイルスのため、発生してから作り始めることになり、その製造には最短でも半年はかかるとみています。


世界における新型インフルエンザの現状は?

2008年WHOの調査報告によると、新型インフルエンザの鳥から人への感染は世界中で387人が感染し、そのうち245人が死亡しています。2006年のインドネシアでH5N1型鳥インフルエンザに8人が感染し、人から人への感染で7人が死亡しています。今後人から人へ感染する最新の新型インフルエンザが流行することが想定されます。


これまでにも新型インフルエンザ流行があった?

みなさんの記憶にある1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜが新型インフルエンザに相当します。これらのインフルエンザも鳥から感染したということがわかってきました。ただ弱毒性だったために全身への影響が出なかったのです。


強毒型H5N1型鳥インフルエンザにかかるとどうなる?

通常のインフルエンザと異なり、血中を介して全身にウイルスが回ります。高熱、出血、肺炎による呼吸不全、脳炎が起こり現在致死率は6割を超えています。


人から人への感染経路は?

通常のインフルエンザと変わりはありません。ウイルスはくしゃみや咳で、半径1メートル以内に飛び散り、そのウイルスは乾燥した冬期では空中に浮遊します。エアコンなどの空気の流れで移動することもありますし、映画館や電車の中は、人が集中する閉め切った空間ですので感染しやすくなります。


診断方法は?

疑い患者~下記1または2に該当し、かつ38℃以上の発熱と急性呼吸器症状があるもの

  1. 10日以内に鳥インフルエンザウイルス(H5N1)に感染している、またはその疑いがある鳥もしくは死亡鳥との接触歴を有する
  2. 10日以内に鳥インフルエンザ(H5N1)患者と接触歴を有する
以上の疑い患者で簡易検査キットでA型インフルエンザ陽性と判断されるとウイルス同定検査を行い確定診断をする。

確定診断~ウイルス分離同定または遺伝子検査により、H5N1亜型の検出


治療方法は?

新型インフルエンザの疑い(A型インフルエンザキット陽性)の段階で指定の専門医療機関へ入院勧奨を行います。姫路市では赤十字病院が指定病院です。
治療薬はタミフルの内服となります。タミフルは重症化を抑制し、回復を早めることが期待されていますが、通常のインフルエンザに対する投与量では対応できないと考えられ、2~4倍量を長期間必要かもしれないと予想されています。


新型インフルエンザが疑われる症状がある場合、どう対応したらいい?

まず近くの医療機関に駆け込みがちですが、決して事前連絡なしに受診してはいけません。新型インフルエンザ発生地からの帰国の場合は特に注意が必要です。待合室などで二次感染をおこす可能性があります。 電話で医療機関に相談するか、保健所に相談してから受診してください。
新型インフルエンザが確認されたという段階で疑われるなら感染症指定医療機関(姫路では赤十字病院)を受診することになります。
新型インフルエンザが流行した場合は、県が発熱センターを設置しますのでそちらの指示を受けてもらいます。


インフルエンザの予防策は?

新型、季節性インフルエンザにかかわらず、予防の基本はうがい、手洗い、マスクです。
咳やくしゃみをするときは、マスクをしていなければ手などで鼻と口を覆うようにしてください。


最後に…

いつ、どこで流行地から帰国した患者と接触するかもしれません。新型インフルエンザの危機感を常に意識して、予防をこころがけてください。万が一発生した場合は、保健所を中心に対応マニュアルが作成されています。マスコミとの連携もとることになってます。
クリニックでも相談は可能ですが、受診の場合は事前にご連絡をお願いします。

参考資料岡田晴恵著 Xデーにそなえる新型インフルエンザ完全対策ブック
兵庫県医師会・兵庫県発行 兵庫県新型インフルエンザ対応マニュアル

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