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心房細動

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
朝晩は涼しくなってきましたが日中はまだ蒸し暑いですね。異常気象が続いていますので、ゲリラ豪雨や台風などお気を付け下さい。
今回の特集は心房細動を取り上げました。
不整脈の一つですが、実は院長が研修医のころストレスが原因と思われますがこの病気にかかっております。私はすぐに治りましたが、慢性の方は永久に付き合わないといけない場合が多い病気です。自覚症状があまりないまま健康診断でひっかかる場合もありますが必ず治療が必要です。
当院は呼吸器が専門ですが心房細動の診療も行っております。この機会に知識を深めていただければと思います。


心房細動ってどんな病気?

心臓には右心房、右心室、左心房、左心室があり、全身に血液を送るポンプの役割を果たしています。
心臓は洞結節と呼ばれるところから電気信号を発生することで一定のリズムで収縮と拡張を繰り返し脈拍を打っています。
心房細動は、不規則な電気信号が発生し心房全体が小刻みに震え、心房の収縮と拡張が出来なくなり規則正しく拍動ができなくなる不整脈です。
高齢者に多くみられ、加齢とともに増加し、比較的起こりやすい不整脈です。


心房細動が起こる原因は?

心臓の病気や生活習慣、生活環境の乱れが原因で起こります。
また、加齢や他の病気の合併など、さまざまな原因が考えられます。

心臓に関係するもの
高血圧、弁膜症、狭心症、心不全、心筋梗塞
心臓に関係しないもの
加齢、糖尿病、喫煙、アルコール、ストレス、甲状腺機能亢進症


症状は?

心房細動が起こる原因
  1. 頻脈(脈が速い)を伴う動悸
  2. めまい・ふらつき
  3. 胸の苦しみ
  4. 全身倦怠感
  5. 息切れ・呼吸困難

高齢者では、無症状のことも多く、定期健診の心電図などで初めて見つかる場合もあります。


検査・診断

胸部12誘導心電図
心電図を記録することで診断できます。
ホルター心電図(24時間連続心電図)
入院の必要はなく胸に3か所電極を貼り自宅で普通の生活をした状態の一日中の心電図を記録します。心拍数の確認、心房細動の評価、診断、治療効果の判定にも使用します。
心エコー検査(心臓超音波検査)
心臓の動き、大きさ、血流量、左房内血栓の有無、逆流などを確認します。


心房細動の種類

  • 初発心房細動:初めて心電図上で心房細動が確認されたもの
  • 発作性心房細動:発症後7日以内に自然停止する心房細動
  • 持続性心房細動:発症後7日以上自然停止しない心房細動
  • 慢性(永続性)心房細動:除細動が不能か、または試みられなかった心房細動

どの心房細動でも同じように脳梗塞を発症する可能性があります。


心房細動の危険性

心房細動という不整脈そのものが生命に直接関わることはそれほどありませんが心不全や脳梗塞を招くことで時には命に関わる危険な状態になる可能性もあります。
脈拍数が速くなったり遅くなったりすることで失神や心不全を起こすことがあります。
心房細動が続くと心房内に血液の流れがよどみ血のかたまり(血栓)が出来やすくなり、この血栓が脳に運ばれ脳の太い血管を詰まらせると脳梗塞が起こります。
心房細動が原因で起こる脳梗塞は重症化しやすく、命にかかわるだけでなく、重い後遺症を残して寝たきりや介護が必要となる可能性が高くなります。
読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんも心房細動が原因で脳梗塞にかかりました。
※脳梗塞患者の約3割は心房細動が原因です。


心房細動の治療

薬物療法

抗凝固療法
心臓の中で血栓を作るのを防ぐ治療です。
心拍数コントロール
心房細動の発作の起こったまま心拍数をコントロールし速くなりすぎないようにする治療法です。動悸感が少なくなり楽になります。
リズムコントロール
心房細動を停止させてリズムそのものをコントロールする治療法です。

抗不整脈薬、電気ショックを使い停止させます。
※薬物療法で完治する事は期待できません。薬を飲み続ける事で不整脈を予防するため、継続的な予防措置となります。自己判断で薬をやめるのは大変危険です!

高周波カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)

現在、頻脈性不整脈の治療として第一選択されています。
数本のカテーテルと呼ばれる管を太ももの付け根から心臓の中に進ませ異常な心筋部を見つけ出し、ピンポイントで高周波通電を行い絶縁する治療です。
最大のメリットは根治できQOL(生活の質)の改善が見込める点です。デメリットは侵襲的であり、ごくまれに合併症が起きる点です。成功率は80%ですが年々成功率があがっています。

ペースメーカ治療

除脈性不整脈と心房細動を併発しているケース、また高齢者に比較的多く用いられる治療法です。
正常に近いリズムに取り戻すと心房細動も誘発されにくくなります。
心房細動抑制する機能を持ったペースメーカもあります。
※「ハイブリット療法」といわれる抗不整脈薬とペースメーカのコンビネーション治療も注目されています。


日常生活は?

精神的、肉体的ストレスを取り除き、睡眠不足、疲労の蓄積、過度の飲酒、喫煙を避けることが大切です!


最後に…

当院では心房細動の診療は可能ですが、精密検査に関しては循環器専門医へ紹介しております。
内服治療に関しては処方ができますので維持療法、管理を行うことが可能です。心房細動に関わらず不整脈に関してもご相談ください。

コメント(4)


2015年7月14日

質問いたします。m()m
初発の心房細動で、バセドウが発覚したのですが、その時の発作で、救急の外来で 静脈注射で
発作を止めました。その1月後、また発作が起こり、また救急で 同じ処置をしました。
ワソラン1A シベノール1Aをつかいまたした。

現在は内服で予防してますが、また発作が起きたとき、どうするべきでしょうか。

ある、文献で あまり注射をしないほうが良い。と書いてありました。
内服薬で自然停止を待つ。ということでしょうか。
ただ、脈が150ぐらいになり、苦しく、不安で一刻も早く止めてほしいというのが本音です

サンリズム、メインテートを内服しています。

55歳 女

どうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿時刻 09:42 | 田中 弘美

2015年7月16日

たびたび発作が起きるのであれば、薬剤ではなくカテーテルアブレーションの適応があると思います。

発作が起きないようにワソランを定期内服させている患者さんもいます。

サンリズムを定期内服ではなく、発作時に使っている場合があります。発作時100mgです。

発作時に受診できるとは限りませんので内服でレスキューを主治医に聞いておいてください。

投稿時刻 00:00 | 院長 田中

2015年12月22日

 ストレスのせいか、頻脈が数年続きその後心房細動になりました。発作の時は結構息苦しく、顔がまっさをになることもありました。2つ大学病院で受診しましたが、手術以外治らないと言われました。
 私が前から独学している鍼灸を応用した筋診断法を思い出し、左手首のツボ陰ゲキに磁気粒S側を貼ったら発作が消え、すっきりしました。心房細動さようならです。
 鍼灸は、長年に亘る体への様々な物理刺激による治療的経験則から構築された技術であすから充分科学的です。そして体内の気の過不足が原因の歯痛などの症状は原因を除けば治るという理論があります。

投稿時刻 10:58 | 秋田知之

2015年12月23日

秋田様、コメントありがとうございました。手術ではなく鍼灸で治癒できてよかったですね。
私も鍼灸は推進派です。自分自身も心房細動がありますが、現在はコントロールできております。
肩こり、腰痛には鍼灸を受けておりますが、今回のコメントは参考になりました。

投稿時刻 17:11 | 院長 田中

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