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膀胱炎

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
今年の冬は暖冬で、桜の開花も例年より早くなっていますが、如何お過ごしでしょうか?クリニックの患者さんの動向ですが、花粉の飛散量が少ない割に花粉症の患者さんは多く、例年と変わらない印象を受けます。インフルエンザの患者さんもピークは過ぎましたが、ぽつぽつ受診されています(3月末時点)。
今回の特集は膀胱炎を取り上げます。
女性なら5人に1人は一生に1回はかかるというくらい身近な病気ですが、軽症なら治療せずに治ってしまうこともあって気がつかないかもしれませんが、受診される方の多くはつらい症状を訴えます。
受診しにくいイメージもありますが、気にせず早めに受診しましょう。


膀胱炎とは?

膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起きる病気で、ほとんどが大腸菌などの細菌感染によって起こります。
発症率は男性に比べて女性に圧倒的に多く、女性は20歳代から、男性は40歳代以降に発症しやすくなります。


女性に多い理由は?

男性の尿道は17~20cmと長く、細菌が侵入しても膀胱にたどり着く前に排尿により外に流される可能性が高くなります。一方女性の尿道は4~5cmと短く、まっすぐなために尿道に入った細菌が膀胱まで侵入しやすくなります。
また女性の尿道口は肛門や膣の近くにあるために、男性に比べると細菌が侵入する機会が多くなります。


膀胱炎の症状

  • 残尿感:排尿後も尿が残った感じがしてすっきりしません。
  • 頻尿:一回の量が少なくなり、尿の回数が増えます。
  • 排尿時痛、不快感:特に排尿終了時にしみるような痛みを感じます。
  • 混濁尿・血尿:尿が白っぽく濁ったり、血液が混ざります。


膀胱炎の診断方法は?

症状が典型的ですので、問診でほとんど疑うことができます。
尿をチェックして血液の反応をみたり、炎症細胞の有無をみたり、尿の培養を行って細菌の種類を調べることで診断できます。


膀胱炎の治療法は?

抗生物質を3日から1週間内服すれば治ります。
頻尿改善剤や、排尿時痛のある方には消炎剤も併用します。薬を服用しても良くならないときは、他に尿路の病気があるかもしれないので、医師に相談してください。


何科を受診すればいいの?

専門科は泌尿器科ということになりますが、一般内科で十分診療できます。
治りにくい場合は泌尿器科に紹介をしております。女性の場合は婦人科を受診されることもあるようですが、そちらでも診療はできます。問診と検尿でほぼ診断できるのでいずれの科でもよいでしょう。


膀胱炎の誘因は?

  • 排尿を長時間がまんしたとき
  • 腰や下腹部を冷やして頻尿になったあと
  • 下痢や生理などで外陰部が不潔になったとき
  • 性交渉のあと排尿せずに長時間経過したとき
  • 風邪などで体調をくずして、免疫力が低下したとき


膀胱炎にかからないように予防するには?

  • トイレは我慢せずにこまめにいくこと
  • 水分は多めにとること
  • 外陰部を清潔に保ち、排便時は前から後ろに拭くこと
  • 下半身を冷やさないように気をつけること
  • 生理用ナプキンやおりものシートは早めに替えること


膀胱炎をそのままにしておくと・・・

細菌が膀胱から尿管をさかのぼって腎臓に達して腎盂腎炎を起こすことになります。症状は膀胱炎より激しく、発熱、腰痛、全身症状がでますので、絶対に放っておいてはいけません。


間質性膀胱炎とは?

症状は同じですが、治りにくかったり、再発をする場合はこの病気かもしれません。アレルギーや免疫疾患、神経血管トラブル、機械的刺激、環境などの要因が考えられています。 治療も複雑で泌尿器科専門医に診療してもらう必要があります。


最後に…

膀胱炎は多くの人が経験するありふれた病気であり、恥ずかしいことはありませんので、早めに治療を受けてください。治りの悪い人や再発を繰り返す人は専門医にかかったほうがよいでしょう。
当院でも膀胱炎の診療を行っておりますのでご相談ください。

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