尿失禁(尿漏れ)
みなさん、こんにちは、院長です。
5月に入り、もう真夏日が観測されたりで異常気象続きですね。
インフルエンザがまだ報告されていますが、今月中には終息すると思われます。
不安定な気候で体調を崩される方が受診されます。花粉や黄砂の影響でアレルギー反応も起こりやすく、鼻炎や咳の患者さんも多くなっています。日頃より体調管理には気をつけてください。
今回の特集は尿失禁です。
「そんなの自分には関係ねえ」と思われるかも知れませんが、特に女性に多く、健康と思っている人でもありうるのです。
咳やくしゃみでつい漏れてしまったという経験はありませんか?
こういった腹圧がかかって生じる尿漏れを中心に取り上げましたので参考にしてください。
尿失禁(尿漏れとは)?
咳やくしゃみの時に漏れたり、トイレに行きたいと思った時に我慢できずに漏れたりする症状です。
中高年の女性に比較的多く、骨盤底筋を鍛える体操で改善が期待できます。
尿失禁の4つのタイプ
●ほかの病気が原因となっている場合
- 腹圧性尿失禁:咳くしゃみ、重いものを持ち上げた時に尿が漏れる
- 切迫性尿失禁:尿意を感じたらトイレにつく前に漏れてしまう
- 溢流性尿失禁:前立腺肥大などのために残尿が多く、尿が溢れ出る
- 機能性尿失禁:痴呆や身体機能の衰えのために漏らしてしまう
今回は女性に多い腹圧性尿失禁の原因と対処法について取り上げます。
腹圧性尿失禁の原因
咳やくしゃみ、スポーツなどで下腹に力がかかった時に尿が漏れるのが腹圧性尿失禁です。
出産や肥満などのために骨盤底筋が緩むことが原因です。
骨盤底筋とは、骨盤の内部で膀胱や尿道、子宮や直腸など、お腹の中の臓器を下からしっかり支えているハンモックのような部分です。
対処法
骨盤底筋を鍛えましょう
腹圧性尿失禁の人には、骨盤底筋を鍛える体操が簡単で有効です。尿道の開閉もこの筋肉を使っています。下記を参考に、朝・昼・夕・寝る前と4回に分けて、各20回ずつ毎日行います。
早くて効果は2週間で表れてきますが3カ月を目安に続けてみてください。症状が改善しても続ける必要があります。
ポイントは骨盤底筋の閉め方を正しく習得し、根気よく続けることです。
方法(いつでも自分にあった方法でできます。)
- 仰向けの姿勢で両足を肩幅に開いて膝を立てる。
- 床に膝をつき、ひじをクッションなどの上に乗せて頭を支える。
- 両足を肩幅に開いて立ち、両手は机などの上に乗せる。
- 両足を肩幅に開いて椅子に座り、足の裏の全面を床につける。
最後に…
尿失禁(尿漏れ)の診療は、泌尿器科又は婦人科を受診してください。
かかりつけの内科で相談されるのも良いでしょう。