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汗かき(多汗症)

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
いよいよ師走となりました。一年も早いものであと一ヶ月です。例年より早くにインフルエンザがはやりだし、ワクチンを接種しながら治療もするというやや矛盾を感じながら診療の日々を送っております。まだワクチンを未接種の方は早めに受けられることをお勧めします。
さて、今年最後の特集は冬には似つかわしくないテーマ、汗かきです。
実は院長も汗かきなので(暑がり)、冬でも厚着をしなくても大丈夫なのです。
冬でも汗で悩んでいる人はいます。これって病気?と思うでしょうが、悩ませるということ自体は病気と言えます。
知って得する情報でありますように願っております。


汗について

汗腺の分布は手掌と足底が最も多く、ついで前額、四肢の順に多い。汗は体温調節に重要であり、体温低下の75%から90%は発汗によって行われる。汗腺に分布する神経は交感神経の枝であり、交感神経の緊張で発汗は多くなる。


多汗症とは

必要以上に汗が出て、皮膚の表面が汗で濡れてしまう状態。病気がなく健康人にもおこるものを原発性多汗症といい、原因になる病気があれば続発性多汗症という。多汗部位により、全身性多汗症と、体の一部で多い限局性多汗症とがある。


限局性多汗症

多くはわきの下、手のひら、足の裏に出ます。これらの部位は精神性発汗部位であり、精神的緊張により増えます。
わきの下や足の裏に多汗があるとにおいの原因となり、足では水虫ができやすくなります。


全身性多汗症

感染症、内分泌・代謝性疾患、膠原病、悪性腫瘍、中枢神経疾患などが原因になっていることがあります。
中でも甲状腺機能亢進症や副腎腫瘍のひとつ褐色細胞腫で多汗症となることがよく知られています。


多汗症の原因別分類

  • 温熱性発汗:体温が高いときに出る汗で、気化熱により体温を降下させる働きがある。
  • 精神性発汗:精神的に緊張したときやストレス時に出る汗、手のひら、足の裏、わきの下にかきやすい。
  • 味覚性発汗:辛いものを食べたときに出る汗、顔面、鼻、額、口の周りにみられる。


更年期障害での多汗症

更年期に汗かきになることが多いのは、卵巣機能が衰えてくると発汗を抑制するエストロゲンというホルモンの分泌が低下するためである。
ホルモン補充療法や漢方薬で改善が期待できる。


多汗症の薬物療法

抗コリン剤

汗をかくときに交感神経の末端から出ているアセチルコリンという化学物質をとめる作用がある。ただし、腺からの分泌を止めるための薬であり、全身に作用して、のどの渇きや便秘、胃腸障害などの副作用がある。

精神安定剤・自律神経調整剤

汗に対する不安を取り除くため、ストレスや緊張を緩和することを目的に処方する場合がある。

漢方薬

多汗症のための特効薬があるわけではなく、体質を変えるような治療になります。更年期障害ならや桂枝茯苓丸が効きます。水太り体型の汗かきには防已黄蓍湯、ほかにも補中益気湯など効果のある漢方薬があります。

制汗剤

一時的ではあるが、手のひらや足の裏の汗を止めたいときに市販の制汗剤で抑えることができる。


心身療法

多汗症は必ずしも精神的なものが要因ではないが、心身療法によって改善することがある。汗に対して不安感の強い人は試してみてもよい。
多汗が原因で人前にでられないとか人の視線が気になって仕方がないなどの心理的負担となるケースが少なくないからである。
心理療法ではカウンセリング、自律訓練法を行っている。心療内科へ相談ください。


手術療法

発汗に作用している交感神経を切断する手術。
手のひらの場合、全身麻酔下でわきの下の皮膚を2~3ミリほど切って穴を開けて、胸腔鏡を入れて神経を切断します。
足の裏の汗を止めるためには、腰椎の交感神経をブロックする手術がある。ただし、ほかの部位に代償性発汗が高率に出現します。(胸部交感神経切断の場合、胸部や背部)
※局所の手術としてはわきがに対して美容整形、形成外科、皮膚科でしておりますのでご相談ください。


最後に…

当院では多汗症に対する診療は特に行ってはいませんが、一般診察で何か病気がないかチェックすることはできます。
治療としては漢方薬を処方できますのでご相談ください。

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