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乾燥肌

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
早いものでいよいよ師走、12月となりました。寒い日が続きますので、風邪をひかないようにご注意ください。またインフルエンザの予防接種をまだされていない方は、早めに受けてください。特に病気で抵抗力の低下している方や高齢者はかかりやすいので、接種されることをお勧めします。
今月の特集は乾燥肌を取り上げます。
実は院長も冬の時期は肌が乾燥してかゆいため引っ掻き傷ができる経験もあります。
診察をしていても乾燥肌で白い粉を吹いている患者さんが多くなってきましたので、調べてみました。クリニックではかゆみ止め、保湿剤で治療をしておりますし、漢方の入浴を勧めています(実費)。
特集の中で紹介しておりますので、役立てていただければ幸いです。


乾燥肌のメカニズム

皮膚のうちの最も外側の層の角質層の水分量が減って生じるのです。なぜ水分量が減るかというと、角質層の水分量というのは出ていくのと入ってくるのとのバランスから成り立っているのですが、そのバランスが崩れるからです。
外気の湿度とか、体の水分量、それに皮膚からどれだけの水分が出ていくか(蒸散や発汗)といったバランスが崩れると肌が乾燥してきます。


老人に乾燥肌が多いのは?

角質層内の細胞間に存在する脂質が水分量を保つのに重要とされていますが、年齢とともにこの脂質が減少することが加齢による乾燥肌の主な原因と考えられています。


乾燥肌をきたす疾患

乾燥肌は加齢や体質だけではなく、内科の病気でも生じます。内分泌疾患、肝障害、腎不全などでも起こりますので、全身性の乾燥肌があり他にも症状がある場合などは内科でも診察を受ける必要があるでしょう。 またアトピー性皮膚炎などの遺伝的な体質によっても起こります。


乾燥肌の多い季節

乾燥肌になりやすいのは10月からです。
その時期から大気が乾燥してきますし、暖房を入れるようになるとますます空気が乾燥します。


乾燥肌はどうしてかゆい?

乾燥した皮膚というのは外からの刺激に対して非常に敏感になって、ちょっとした刺激でもかゆみを感じてしまいます。そのかゆみの起きやすい時間帯は夜に多く、布団に入ってから、帰宅後服を脱いだ時、お風呂に入るときに多いです。
乾燥肌の人は、ちょっとした衣服のこすれが刺激となります。
また入浴時にかゆいために強くこすることでさらに角質のダメージを与えて乾燥させてしまうという悪循環をきたします。


かゆくて掻きたくなったら

かゆくてたまらない時、ついつい掻いてしまいますが、実はそれがさらに「かゆみ」を誘発することになりますので注意が必要なのです。
どうしても「かゆみ」を感じる時は、体温が上昇して「かゆみ」を感じる場合が比較的多いので、なるべく外部から冷却することを考えねばなりません。
しかし、冷水に浸したタオルを直接肌にあてると水分でかえって症状を悪化させる原因になりますので、出来るだけドライタオルで冷やすか、ビニールを間にはさんで冷水で冷やすかにしてください。逆にあまり冷やしすぎるのも皮膚にとっては刺激となりますので、状況に応じて臨機応変に行う必要があります。


乾燥肌の薬物療法

基本は保湿剤です。タイミングは入浴後すぐに塗るのがベストです。
お風呂から出て乾いてから塗る人が多いのですが、まだ濡れているうちの方が保湿剤がよく伸びるうえ、保湿効果が一番高いとされています。
すでにかいてしまって湿疹が出来ているような場合、かゆみがひどい場合には、ステロイド外用薬を使うことがあります。使いすぎると肌が黒ずんだり、皮膚が薄くなったり、皮膚の抗菌免疫力が低下するため副作用を伴うこともあります。
特に集中した使用や連続使用には十分注意しなければなりません。適度・適量使用であればステロイドは、かゆみをあっという間に抑えるだけでなく、症状の軽い皮膚のかぶれなどはすぐ治療してしまうので非常に有効です。
内服薬として、かゆみが強い時には、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服することも考えます。漢方薬の当帰飲子は老人の乾燥肌に効能があります。その他にも診察所見で合わせることができる漢方薬があります。


生活環境を見直して乾燥肌対策

  • 暖房は必要最低限にとどめお部屋の湿度に心がける
  • 下着や寝巻きは水分を含む綿製品を着用する
  • 食生活では飲酒、脂肪の摂取をなるべく少なくして、食事をタンパク質や野菜中心特に緑黄色野菜を心掛けてとりましょう。


乾燥肌に良い入浴方法

正しいスキンケアとは洗顔時、入浴時に肌の汚れはしっかり落とし、その後、肌がつっぱるなどの症状が見られた場合には保湿剤を塗る必要があります。
スキンケアの基本は「しっかり汚れを落とす」です。 ただし、こすりすぎは必要以上に皮脂を奪うことになり、乾燥肌を促進しますので注意してください。
入浴で注意すべきは長湯(長時間の入浴)が良くありません。長湯が体の水分を奪い、ますます肌の乾燥を促進しますし、体温が上昇することで「かゆみ」を誘発します。
入浴の時間も重要ですが、お湯の温度にも気をつけなければなりません。熱すぎるお湯は急速に肌の保湿成分を奪い取っていきます。だいたい38~40度が理想的と言えるでしょう。


当院での診療

一般に保湿剤の処方を基本に処方しています。
ウレパールローション、クリーム、ケラチナミン軟膏、ヒルドイドソフトクリームがあります。 炎症が強ければ、ステロイド外用薬を処方しています。内服薬として抗アレルギー剤、漢方薬を処方しています。
保険は効きませんが、漢方の生薬原末(当帰、地黄)を煎じてお風呂に入れ入浴剤として使う方法も紹介しています。一日あたり10円くらいの安価で効果が期待できます。


最後に…

乾燥肌のかゆみは院長も経験があるので、かなりつらいですよね。
いらいらして心理的にもよくありません。
ついつい掻いてしまいますが、傷をつけたらまたそれが痒くなって悪循環です。皮膚科で相談するのがベストでしょうが、内科でも診療している先生は多いと思いますので、かかりつけ医に相談してみましょう。
■参考資料:乾燥肌対策とかゆみ改善法

コメント(3)


2011年11月24日

引っ越ししてきて、近くに皮膚科がなくてこっています。先生に診てもらえますか。アレルギーあります。乾燥肌で、首に5から6㎝のただれたようにぴんくに少し盛り上がり、バンソコウはってるみたいな、楕円形です。中学生の女子です 三週間になります。

投稿時刻 12:20 | Oさん

2011年11月24日

医療機関の情報がなくお困りのようですので、一度受診していただき、皮膚科のほうが良いようでしたら紹介させていただきます。当院で対応できるようでしたら一度治療を試みたいですので受診してください。

投稿時刻 17:47 | 院長 田中

2011年11月25日

はい、よろしくお願いいします。

投稿時刻 00:41 | Oさん

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