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じんましん

みなさんこんにちは。院長の田中です。
4月の下旬から急に気温が上昇し、4/30には真夏日も観測されています。熱中症の報道もあり、一日の温度差で体調を崩される方、風邪をひかれる方が多くなっていますのでご注意ください。

今回の特集はじんましんを取り上げました。
内科でかかりつけ医があればまず相談されてもいいでしょう。
急性期であれば薬が良く効くので治りやすいのですが、慢性になってくると治療抵抗性の症例もあり厄介です。皮膚科に紹介しております。
誰もがかかりうるポピュラーな病気ですので、参考にして頂けたら幸いです。


じんましんとは?

じんましんとは、蚊にさされた時のように皮膚の一部が赤く膨らみ、しばらくすると跡形なく消えてしまう病気です。
激しいかゆみを伴うことが多く、そのためにストレスを感じたり、掻き壊してしまったりすることもあるので、じんましんの症状や仕組みを理解し、適切な対処法を知っておくとよいでしょう。


じんましんの症状

じんましん

境界がはっきりしたさまざまな形の赤い膨らみが、皮膚にポツッと現れ、それがだんだんと広がったり、体のどこにでも現れます。
強いかゆみを伴いますが、やがて跡形もなく消えてしまうのが非常に特徴的です。
通常は数分から数時間で消えることがほとんどですが、半日から一日程度続くこともあります。
まれに、まぶたや唇が腫れたり、気道や腸の粘膜がはれ、息苦しさや下痢などの症状が出現し、ショックを起こせば死に至ることもあります。


じんましんの原因

じんましんには、アレルギー性のものと、そうでないもの(非アレルギー性)があります。
下記のような物質や物理的刺激などが原因で体の中で異物として認識されると、ヒスタミンというかゆみを伴う物質が皮膚の血管を拡張させ、血管内の水分がしみ出て赤くはれるのです。

アレルギー性のじんましん

■食べ物
 魚介類(サバ、マグロ、サンマ、エビ、カニなど)
 肉類、卵、乳製品(牛乳、チーズなど)、穀類、野菜、食品添加物
☆特に、小麦、そば、乳製品、卵、落花生は、五大アレルギー成分といわれています。

■植物・昆虫
 イラクサ(刺草や蕁麻とも呼ばれ、蕁麻疹の名前の由来になっています。)
ゴム、蜂など(触れたり刺されたりして起きる)

■薬剤
 抗生物質、解熱鎮痛剤、咳どめなど

非アレルギー性のじんましん

■物理的刺激
摩擦、圧迫、熱さ、寒さ、日光、振動など

■入浴や運動による発汗など
 血液疾患、膠原病などがある人、疲労、心身のストレスの強い人では、運動や発汗が刺激となります。

発症して一か月以内のもの(急性じんましん)、あるいは何かの機会に一致して時々現れるタイプのじんましんでは、原因を突き止められることも多いですが、一か月以上もの間、毎日のように現れては消えるタイプのもの(慢性じんましん)では、ほとんどの場合は、原因を明らかにすることができません。


診断と検査

じんましんはその特徴的な見た目で診断をつけることが多いです。
その際、じんましんを発症したタイミングや持続時間なども大事な情報です。
放っておいても一日以内に改善するのがじんましんの特徴で、繰り返したりしない限り、ほとんど原因が特定できないのであえて検査は行わないことが多いです。
それでも、普段は症状がないものの、特定の食材や物質を摂取した時に限って、繰り返しじんましんを生じるような場合はアレルギー検査を行うべきです。
・血液検査で考えられる原因に対する抗体(特異的IgE抗体)を調べ、抗体が高値であれば原因である可能性が高いと言えます。
・パッチテスト~原因物質のエキスを皮膚につけてその反応をみます。皮膚が赤くなって腫れると陽性と判断し、原因である可能性が高くなります。


じんましんが出た時の対処法・治療

出来るだけ掻かないこと。掻くと余計に広がり、かゆみが増強します。冷やすことでかゆみがおさまることがあります。摩擦や圧迫、振動などの刺激を与えないようにしましょう。
じんましんになった原因を見つけてそれを取り除きます。じんましんが現れるまでの1時間に、何を食べたか、何か薬を飲んだか、何か接触したかなどを書き留めておきましょう。思い当たることがあれば、血液検査などで原因を確かめることも出来ます。しかし実際には、原因を特定できないことが多いので、その場合は今起きている症状を改善することが第一なので、薬物療法を行います。

薬物療法

抗ヒスタミン薬というアレルギーを抑える薬を投与します。
この薬の副作用として、眠気を生じやすいことがあります。
塗り薬などの外用薬は基本的には効果がありません。
症状がひどい時には、短期でステロイドを投与することもあります。
処方された薬は症状が消えても一定期間(急性じんましんは数日~1週間、慢性じんましんは1か月)飲み続けることが大切で、自分の判断で薬を飲むのをやめずに、医師に相談しましょう。


生活上の注意点

  • 心身を休めること。原因が分からなくても、症状を悪化させるきっかけを避ければ生活への影響を小さく出来ます。
    風邪をひいていたり、消炎鎮痛剤を服用したり、寝不足、疲れ、ストレスなどがかかった状態では普段より症状が出やすいので、注意が必要です。
  • 食事の面では、肉類や魚介類はできるだけ新鮮なものを食べるようにしましょう。
    防腐剤や色素を含む食品を控えましょう。血行をよくするお酒や激しい運動、湯船に入ることなどは控えめにしましょう。

何科に行けばいいの?

じんましんは皮膚の症状ですので、まずは皮膚科に行きましょう。
診断と治療がスムーズに進みやすくなります。
治療中の持病があれば、かかりつけの病院で相談してください。
薬の副作用や薬によるアレルギーのじんましんだった場合、持病の治療法を変えないといけない可能性があります。
皮膚科でもらう薬で症状が治まらないときは、心療内科にかかるのもよいと思います。
原因不明のじんましんでは、ストレスなどの心の状態が発症や症状に影響している場合もあります。


最後に…

当院においてもじんましんの方の診療はしておりますが、専門ではない為、急性期の処方や血液検査による原因検索が主となります。
血液検査は100種類くらい調べることが出来るのですが、特に考えられるものを絞り込んで調べることにしないと検査費用がかかってしまいます。
頻度の多い原因が最初からセットになっていてチェックすることもできますので、ご相談ください。皮膚科への紹介もさせていただいてます。

コメント(2)


2017年5月14日

はじめまして(*^^*) 私は 蕁麻疹と 20年間 寄り添ってきました。 発症したのは 歯痛で 歯医者さんで頂いた ロキソニンから 人生が180度変わりました。痛み止めを飲んだら 身体の中まで 蕁麻疹が出て 呼吸困難になりました。 それ以来 鎮痛剤が飲めなくなり 肩こりにのバンテリンや 湿布薬の 外用薬も駄目になりました。 酷い時は 目薬で 顔が腫れあがり… 薬を 飲む事が出来なくなりました。
一番辛かったのが 下痢をしたら 蕁麻疹が出て 夜中ずっと 痒みと戦い 朝が来るのを 待ってました。
そんな 私にも 希望の光りが 射し込んできたのが…
毎日 続ける ウォーキングで 体質改善が 現れてきたのです。 あれだけ 苦しめられた 蕁麻疹から 少しずつ 改善されてきています。

投稿時刻 19:26 | 向井 幸子

2017年5月14日

体質改善はアレルギーを克服するのに重要ですね。特に運動はいいようです。
私は喘息を多く診ておりますが、水泳がよいというデータがあります。いやいやするのではなく楽しく取り組めればなおいっそう効果が期待できると思います。いい経験談をお聞かせいただきありがとうございました。

投稿時刻 19:43 | 院長

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