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過活動膀胱

みなさん、こんにちは。院長の田中です。
8月は暑かったですね。毎年熱中症の方が受診されますが、今年は特に多かったです。
少し涼しくなってきましたが、気候の変わり目ですので体調を崩しやすい時期でもあります。体調管理にお気をつけください。

今回の特集は「過活動膀胱」です。
まだ聞きなれない病名かもしれませんが、かなり頻度が多いとされています。加齢に伴い増える病気ですので、症状を年のせいだから治療法はないと思わずに受診するようにしましょう。
専門は泌尿器科となりますので受診しづらい方もいるでしょうが、診断がつけば薬で症状はかなり改善しますのでご相談ください。


過活動膀胱とは?

自分の意思とは関係なく膀胱が勝手に収縮してしまう病気です。
最近の調査では40歳以上の8人に1人(女 > 男)がこの病気で悩んでいる事がわかりました。


原因は?

過活動膀胱とは

脳と膀胱(尿道)を結ぶ神経のトラブルで起こる「神経因性」のものと、それ以外に膀胱や尿道を支える骨盤底筋という筋肉が衰え尿をためられないといった「非神経因性」のものがあります。

    神経系のトラブル
  • 脳の障害(脳梗塞・脳出血・パーキンソン病)
  • 脊髄の障害(脊髄損傷・脊柱管狭窄症・多発性硬化症)など

  • 非神経系のトラブル
  • 出産、加齢、骨盤内の筋肉や靭帯などが弱くなった
  • 冷え、前立腺肥大(男性)
  • 明らかな原因が特定できない場合も多い

症状は?

    尿意切迫感
  • 急に尿意をもよおし、漏れそうで我慢することが難しいもの

  • 頻尿
  • 1日に8回以上排尿がある

  • 夜間頻尿
  • 夜寝ている間に1回以上排尿のために起きる

  • 切迫性尿失禁
  • 急に尿をしたくなり、トイレまで我慢できずに漏れてしまう

診断・検査

問診と他の病気を除外することで診断できます。
尿検査:血尿、膿尿、蛋白尿の有無を調べ、がん、感染症、結石がないか確認します。
腹部超音波検査:残尿量の測定、膀胱、前立腺(男性)を確認します。
飲水排尿記録:自宅で1日の排尿回数、1日量、飲水量などを記録し実際の排尿状態を確認します。


治療

    薬物療法
  • 膀胱の収縮を抑える働きのある薬や膀胱に尿をためる容積を増やす薬を内服します。

  • 膀胱訓練
  • トイレに行く間隔を延ばして、膀胱の容量を増やす訓練。目標2.5時間尿意を感じた時に5分から10分トイレを我慢し、突然の尿意を抑える。

  • 骨盤底筋体操
  • 尿道を締める、骨盤底筋の収縮力を高める訓練。尿道、肛門、膣をきゅっと締めたり、緩めたりを繰り返し引き締める時間を少しずつ延ばす。5分位から始めて20分位まで。

日常生活の注意点

  1. 身体を冷やさないようにする(特に下半身)
  2. 便秘、肥満の改善
  3. ビールなどのアルコール、お茶やコーヒーなどのカフェイン類、刺激の強い食物を控える。
  4. 水分をとりすぎない
  5. 適度な運動をする

最後に…

当院では過活動の確定診断はできません。症状をお聞きし、検尿で異常がなく、疑われる症例に投薬して効果をみることはしております。
専門医による診療をご希望の方は泌尿器科に紹介しておりますのでお申し出ください。

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