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動脈硬化

みなさん、こんにちは、院長の田中です。
3月になりました。まだ寒い日が続きますが時折暖かい日もあり春の訪れを感じます。
インフルエンザの流行がかなり減りましたが、逆に胃腸炎が多くなっている印象です。引き続き健康管理に気をつけてください。

今回の特集は「動脈硬化」です。
取り上げた理由は動脈硬化を評価できる検査を3月より導入することになったからです。
これは四肢の血圧を測ることで可能であり簡単な検査です。この検査は大分前よりあるのですが、当院では必要性を感じていませんでした。
最近になり人間ドックなど健康診断で組み込まれるようになり、患者さんからも要望があったので導入することにしました。
動脈硬化に関連する高血圧、高脂血症、糖尿病の患者さんも増えつつありますので、この検査を患者さんの診療に役立てていきたいと思っております。よろしくお願いします。


動脈の働きと動脈硬化

動脈とは血液を心臓から全身へ送り出す血管で、酸素や栄養素を運ぶ重要な働きをしています。
年齢とともに老化して血管のしなやかさが失われて硬くなったり、血管の内壁にコレステロールなどが沈着して血管が狭くなることで血流が滞ったりする状態を動脈硬化と言います。
自覚症状がないため、健康診断などでコレステロール、中性脂肪、血糖値が高くないか定期的に確認しましょう。
動脈硬化は急に現れるわけではなく若いころから始まり、40歳を過ぎる頃より進行し重大な病気を引き起こすこともあります。


動脈硬化が引き起こす病気

動脈硬化が進んでいくと心臓に負担がかかり、高血圧、心肥大、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症(主に足の動脈が詰まる病気)などを引き起こす恐れがあります。


動脈硬化の検査

  • 血液検査:悪玉コレステロール・善玉コレステロール・中性脂肪・血糖値など
  • CAVI(キャビィ)検査:CAVI(動脈の硬さ)、ABI(動脈の詰まり)、血管年齢
  • 頸動脈エコー:心臓から脳に血液を送る頸動脈(首の動脈)にゼリーを塗り、超音波をあてます。
    血管壁が厚くなったり硬くなったりしていないかを画像で簡単に確認できる検査です。痛みもなく短時間で終わります。(当院ではしておりません)

CAVI(キャビィ)検査とは

CAVI(キャビィ)検査

CAVI(キャビィ)とは心臓から足首までの動脈の硬さの程度を表す指標です。
ベッドに仰向けに寝た状態で、両腕、両足首の血圧と脈波を測ります。
血圧を測る時と同じくらいの圧がかかります。
測定は約5分で終わります。年齢が高くなるに従って高い値になります。
ABI(エービーアイ)とは両足首と両腕の血圧の比のことで、動脈の詰まりの程度を表します。
血管年齢とは血管の硬さの程度によって何歳くらいに相当するかを判定します。

検査について 脈硬化は早期発見が大切です。年に1~2回の定期的な検査をお勧めします。

動脈硬化を進行させない為の日常の注意点

  1. 食事療法
    ・肉の脂身、卵黄の摂取を控える。
    ・魚、特に青魚の摂取を増やす。
    ・塩分の取り過ぎに注意する。
    ・アルコールの摂取を控える。
  2. 運動療法
    1日30分以上(できれば毎日)のウォーキング、体操、水泳など運動を継続的に行うことで、動脈硬化の進行を妨げます。また善玉コレステロールが増えることがわかっています。
  3. 基礎疾患(高脂血症、糖尿病、高血圧など)がある場合は適正な治療を受ける。
  4. 禁煙
    タバコを吸っていると、悪玉コレステロールが血管にたまりやすくなるだけでなく、動脈硬化を防いでいる善玉コレステロールが減ってしまいます。そのため、動脈硬化が発生・悪化しやすくなるのです。

最後に…

当院では慢性生活習慣病に関して、食事療法、運動療法について指導を行っております。
動脈硬化を治療・予防することは、脳や心臓病のリスクを減らしますので、定期的に動脈硬化の評価を受けることをお勧めします。

コメント(2)


2018年11月2日

30代男性です。会社の健康診断で2年続けてLDLコレステロールがE判定(要検査)でした。他の項目はA判定です。体調に気になる事はありませんが検査をお願い出来ますか?

投稿時刻 15:09 | 山田

2018年11月4日

山田様、了解しました。再検査することになりますが、脂質改善の食事療法、運動療法に取り組まれて2か月後くらいの再検査が良いかと思われます。

生活習慣指導を行っておりますのでその意味でも受診下さい。

投稿時刻 17:36 | 院長 田中

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